初心者のための洋食器講座「ウェッジウッド」編を開催しました

大阪・近鉄文化サロン阿倍野で毎月第一木曜日に開催中の「初心者のための洋食器講座」。

3か月ぶりの対面講座は、3か月前の雰囲気とは少し違う、受講者の方も講師の私もマスク着用・空間を広くとっての開催でした。

当面の間、1テーブルに1人と広く空間を空けての開講です
受講生の方が、1月の日経プラスの記事をご持参してくださいました。この講座を受講し始めてから、洋食器講座に関する情報を保存しているとのこと。うれしすぎます。。。涙



今回のテーマは、ウェッジウッドでした。

個人的にウェッジウッドは、日本で一番有名な洋食器ブランドではないかと思っています。事実、上記の新聞記事の「なんでもランキング」の高級ブランド食器のマグカップ特集でも、第一位はウェッジウッドのワイルドストロベリーでした。

今回の講座では、そんな有名ブランド「ウェッジウッド」の歴史を紐解いていきました。

まず、日本人が初めてウェッジウッドの存在を知ったのは、おそらく明治時代だと思われます。
というのも、明治時代初期の日本で、福沢諭吉の「学問のすすめ」と同じくらいの超大ベストセラーとなったある書籍に、ウェッジウッドの名が登場するからです。

その本の名前は、「西国立志編」。

現代語訳版の西国立志編

これは明治時代に教育者として活躍した中村正直(なかむら まさなお)という人物が1870年(明治3年)に、サミュエル・スマイルズというイギリス人の書いた『自助論』を和訳したものです。

自助論といえば「天は自ら助くる者を助く」という有名な格言ではじまる、1859年にイギリスで発行された本。内容としては、300人以上の欧米人の成功談を集めたもので、早い話「成功のためには自分自身のたゆまぬ努力が必要だよ!」ということをわかりやすく、かつ詳細に記されたものになっています。
これが明治の青年の出世のお手本となって、当時100万部以上を売り上げ、福澤諭吉の『学問のすすめ』と並ぶ大ベストセラーとなったわけです。

で、13章で構成されたこの本の第3章「忍耐力こそ、成功の源泉である」で、「陶芸家には、驚くべき忍耐をもって、素晴らしい成果を残した人たちがいる」という例に挙げられた3人の製陶に関わった人物の一人として、ウェッジウッドの創業者が紹介されていたのです。

この本の中で、ウェッジウッドは単なる「洋食器ブランド」のひとつとしてではなく、ウェッジウッドの創業者が「世界の文明発展の英雄とすべき人物」として、紹介されていました。

では「世界の文明発展の英雄」といわれた、ウェッジウッドの創業者とは誰か。
それは、ジョサイア・ウェッジウッドです。

ちなみにこちらは、明治時代に出版された西国立志編の初版。
ジョサイア・ウェッジウッドの表記、見つかりますか?

今回の「初心者のための洋食器講座」のゴールは、日本人が最初にウェッジウッドのことを知るきっかけとなった、このウェッジウッドの創業者ジョサイア・ウェッジウッドが、イギリスだけではなく世界の陶磁器業界にもたらした偉業を皆様に知っていただくことでした。

講座終了後には、興味深い質問を投げかけてくださる方がいらっしゃったり、参考資料をご覧に来て下さる方々がいらっしゃったり……マスクで顔の全てが見れなくても、真剣な眼差しで聞いてくださる方々に、とても良い刺激を受けました*

素敵な受講生の方々と、洋食器の話をする時間は、なんて楽しく幸せなんだろう。心の底から大好きだなって、改めて実感していました。

参加してくださった皆様、ありがとうございました!

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宮沢賢治『銀河鉄道の夜』2020年7/17(金)
【アンデルセン『絵のない絵本』】2020年9月25日(金)

<終了> 日本史と世界史が100倍楽しくなる~陶磁器の愉しみ方~
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【第1回】歴史小説から知る!陶器と磁器の違い 2019年11/20(水),11/30(土)
【第2回】有田焼 <安土桃山・朝鮮出兵(文禄・慶長の役)> 2019年12/11(水),12/14(土)
【第3回】マイセン <18世紀初頭”白い金”だった磁器> 2020年1/8(水) ,1/11(土)
【第4回】ウェッジウッド<産業革命の裏にある奴隷解放運動> 2020年2/12(水),2/8(土)
【第5回】ノリタケ<明治・万国博覧会> 2020年3/11(水),3/14(土)
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会場:ブリーゼブリーゼ(大阪)
講師:加納亜美子
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会場:ルノーブル長岡京店(京都)
講師:加納亜美子
【第1回】2019年4月17日(水) ハプスブルク家と陶磁器 ~マリア・テレジア~
【第2回】2019年 5月22日(水) きらびやかな王宮文化 ~マリーアントワネット~
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【第4回】2019年7月17日(水) 新しい時代へ ~ウィーン分離派~
【第5回】2019年8月21日(水) 時のテーブルウェア ~各時代のうつわ・ガラス~
<終了> 日本・オーストリア修好150周年記念セミナー
『ウイーン世紀末芸術とロブマイヤー』
会場:カリーニョ草津サロン
講師:ロブマイヤー日本総代理店 株式会社ロシナンテ 天野光太郎様
2019年4/5(金),4/6(土)
<終了>「ヘレンド×日本料理」コラボレーション食事会
会場:炭火割烹まつ瀬(滋賀)
協力: ヘレンド日本総代理店 星商事株式会社 様
2019年2月
<終了>ウィーン磁器工房アウガルテン創窯300周年記念セミナー
会場:カリーニョ草津サロン(滋賀)
共催: アウガルテン日本代理店ノーブルトレーダーズ株式会社様
2019年5月

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この記事を書いた人

加納亜美子

加納亜美子

西洋磁器史研究家 / 料理研究家
「カリーニョ」代表。カリーニョを運営する三姉妹の末っ子。

幼少の頃から洋食器コレクターの父親の影響を受け、食器の持つバックストーリーに興味を持ち、文系塾講師、洋食器輸入会社で勤務後、2016年1月~会員制料理教室「一期会」、2019年1月~高級食器リングサービス「カリーニョ」の運営を始める。
曾祖母は赤絵付けの原料となるベンガラ作りに関わっていたルーツを持つ。