セミナー準備中に思い出した、バイエルン陶磁器街道の思い出話(コーブルク)

本日、ルノーブル長岡京店で開催する陶磁器セミナー(第4回)のテーマは「ウィーン分離派」です。

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世紀末芸術に関するお話がメインになってくるため、ギリギリまで資料を読み返しています。

どうしても小難しくなりそうな芸術のお話を、できるだけわかりやすく噛み砕いて説明できるようになりたい。

…と書きながら、この「代表ブログ」のカテゴリーではそういうのをあまり気にせず、思いのまま綴っているのですが、、、笑
セミナー準備の気分転換に、今日のセミナーで話すには余談が過ぎそうなこぼれ話を記録しておきます。

世紀末芸術を紐解くキーワードのひとつには「性(エロス)と死(タナトス)の融合」があると、以前 玄馬のコラムでも紹介されていました。
(セミナーでも詳しくご紹介していきます)

ふと資料を読み返していた時に、バイエルン陶磁器街道で巡った町のひとつ、コーブルクのことを思い出しました。

(人口4万人ほどの町、コーブルク)

ここは直接的には世紀末芸術に関係する町ではありませんが、19世紀末に先んじて、「性(エロス)と死(タナトス)の融合」を描いたクラーナハの作品(16世紀)がたっぷり展示されている城塞があり、本来の目的であった「陶磁器をめぐる旅」を思わず忘れて、魅惑的な表情をみせるクラーナハの女性たちに酔いしれました。

コーブルクの城塞(砦)。ドイツで2番目に大きいものだそうです。
この中が博物館になっていました。

当時の暮らしぶりがうかがえる城内。

この城塞はルターが半年間暮らしていた(匿われていた)ということもあり、宗教革命ゆかりの地ともいわれているそうです。城内のいたるところにルターに関係する作品が展示されてありました。

クラーナハの作品の一部。
城内にはほかにもまだまだ沢山のクラーナハの作品が。

さらに城内を見ると、1880年制作のロブマイヤーのカップ&ソーサーや、レクタングルプレート…

コーブルクに関しては全く知識なく訪問したので、思わぬお宝発見!という心持ちに。

そしてお城を出て、中央広場に行くと、何やら大きな銅像が。

誰かしら?と、銅像の傍にあるキャプションを読んでみると、「アルバート公」!

そう、今ちょうどNHKの歴史ドラマ『女王ヴィクトリア2 愛に生きる』の主役となっているイギリスのヴィクトリア女王の夫アルバート公は、ここコーブルク出身(ドイツのバイエルン州)だったのです。
(お恥ずかしながら知りませんでした・・・)

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芸術と陶磁器は非常にリンクしますが、芸術や陶磁器を知るということは、そこには世界史も繋がってくる。

そして、それを実感できるから、旅は面白いんだと再確認。

普段は予習をかなりしっかりした上で旅をするタイプですが、前知識がなかったとしても、今まで得てきた点と点が、突然つなぎ合わさって線になるという興奮を、コーブルクで味わうことができました。

…とはいえコーブルクは、知れば知るほど、もっと前知識もって行けばよかったなぁと思うことが随所にありました。

古城街道のスポットにもなっているみたいなので、行かれる機会がある方の参考になれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

加納亜美子

加納亜美子

西洋磁器史研究家 / 料理研究家
「カリーニョ」代表。カリーニョを運営する三姉妹の末っ子。

幼少の頃から洋食器コレクターの父親の影響を受け、食器の持つバックストーリーに興味を持ち、文系塾講師、洋食器輸入会社で勤務後、2016年1月~会員制料理教室「一期会」、2019年1月~高級食器リングサービス「カリーニョ」の運営を始める。
曾祖母は赤絵付けの原料となるベンガラ作りに関わっていたルーツを持つ。