【ヨーロッパ陶磁器の旅 イタリア編③】ピッティ宮殿内ボーボリ庭園の陶磁器博物館へ

ヨーロッパ陶磁器の旅に出てちょうど今日で2週間です。
この間、旅先での一番リアルタイムな情報をお届けできるように、毎日更新を心がけていましたが、その甲斐あってか?、ここのところカリーニョのアクセス数が非常に伸びていて、それがとても励みになっています。

ブログだと、facebookやInstagramと違って閲覧者の反応が「いいね」のような数字ではわからない分、こうやってサイトにアクセスしてくださる方がいること自体がとても嬉しいのです。
今日も、ご覧いただきありがとうございます。

さて昨日はヴェネツィアから電車で約2時間、花の都フィレンツェに到着しました。

フィレンツェでは、ピッティ宮殿内のボーボリ庭園にある陶磁器博物館へ。この博物館の展示に関しては日本語の情報が少ないため、購入した図録を翻訳してまた詳細をご紹介しようと思います。

ひとまず、ネットで見つけた情報をまとめていくと、

・陶磁器博物館はピッティ宮殿の裏手に広がるボーボリ庭園にある「Casino del Cavaliere 騎士の狩猟小屋」と呼ばれる建物の中にある。

・博物館は1973年に開かれたが、そのコレクションはとても古いもので、ヨーロッパ中の貴族がそれぞれの注文で造らせトスカーナ大公に寄贈した陶磁器のコレクション。このため、当時のヨーロッパで有名であった陶磁器製作所の作品が並んでいる。特にトスカーナ大公であったピエトロ・レオポルドとフェルディナンド3世の所有だった作品が多数を占める。

興味深かったのは、18世紀末の作品が多かったこと。

たえばドッチア窯(リチャード・ジノリの前身)、ヴァンセンヌ窯(セーブルの前身)、ウィーン窯(アウガルテンの前身)の初期の作品、もちろんドイツからはマイセンやニンフェンブルクの作品。セーブルのサーヴィスもありました。

この時代はヨーロッパ各国で磁器作りが始まり、他国に負けじと競い合うかのように国家レベルで技術を磨きあっていた時期。いわば、各国・各窯ごとの作品ひとつひとつの・・・なんというか、そう、筆使いに、勢いや熱意を感じられるのです。

まだまだ発展途上だからこそ、未熟だからこそのエネルギー感じる作品たち。博物館の規模としては小規模かもしれませんが、とても見ごたえがあり、疲れも忘れて見入ってしまいました。
(ただその分、見終わったあとの疲労感は凄かったです・・・汗 昨日はスーパーでプロセッコとサラダ、ピッツェリアでピザをテイクアウトして、滞在先のアパルトメントでのんびり夕食をとりました。)

写真の整理がおいついていないので、写真の整理は、図録の翻訳作業と並行して行っていこうと思います。

(つづく)

この記事を書いた人

加納亜美子

西洋磁器史研究家 / 料理研究家
「カリーニョ」代表。カリーニョを運営する三姉妹の末っ子。

幼少の頃から洋食器コレクターの父親の影響を受け、食器の持つバックストーリーに興味を持ち、文系塾講師、洋食器輸入会社で勤務後、2016年1月~会員制料理教室「一期会」、2019年1月~高級食器リングサービス「カリーニョ」の運営を始める。
曾祖母は赤絵付けの原料となるベンガラ作りに関わっていたルーツを持つ。