ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 英国の美術史を学ぼう

ゴッホやフェルメールだけじゃない!
監修者さん肝いりの「英国美術史」をぜひ学ぼう

現在、ロンドンナショナルギャラリー展が開催中です。コロナ禍で延期になりましたが、10月現在は東京、そして11月からは大阪で開催されます。

出典:ロンドンナショナルギャラリー公式ホームページ

注目の展覧会がこちらです。

「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」
公式ホームページはこちら

不幸中の幸いというべきか、コロナ禍が始まる直前に、絵画たちは日本入りしていたので開催が出来ましたが、もし絵画の輸送があとちょっと遅れていたら、もしかしたら中止になっていたかもしれない(と勝手に想像する)、そんなギリギリセーフの展覧会です。

今回の目玉はなんといっても、ゴッホの「ひまわり」!
確かに、看板商品として、堂々とCMに使われているのですが…。
カリーニョで学ぶ皆さんには、私は声を大にしてぜひ言いたい!
(そう、9月の読書会では冒頭の雑談時間に、熱弁したあのことです。)

そりゃね、皆さんがゴッホに夢中なの、分かります。
もちろんフェルメールも素晴らしいし、私もモネや、ルノワール大好きなんです。
素晴らしいのは、もうすごく、わかる!
…のですが、ぜひ「陶磁器de読書会」や「ゴシックリバイバル」の動画で解説している
グランドツアー→ピクチャレス→ゴシックリバイバル
の流れをつかんだ参加者の皆さまには、このイギリスならではの大陸ヨーロッパの交流によって生まれた絵画芸術の歴史をつかんでいただき、主催者さんの企画意図を感じて欲しいな、と思うわけなのです!

というのもですね、今回のこの企画の目的は「英国ならではの美術史を学んで欲しい」からなのです。
私が言ったんじゃあありませんよ、公式ホームページの監修者の方がそうおっしゃっているのです。(とても良い動画がありますので、ぜひご覧ください)

「何か美術展をするためには、テーマを決めないといけない。
イギリスは、大陸ヨーロッパとちがった独特な美術史(美術の歴史)がある。それをぜひ知ってほしい。」

ゴッホの「ひまわり」にくぎ付けにならず(素晴らしいのは、もちろんわかります)に、ぜひこの主催者さんの意気込みをですね、感じ取ってほしいのです。

「これが、グランドツアーでイギリス人の跡継ぎ息子たちがお土産に持ち帰ったカナレットの絵か…」
「これが、あのピクチャレスクのクロード・ロランさんの絵か!」
「これが、ストロベリーヒルハウスを建てたウォールポールさんが
グランドツアーのアルプス越えで「ザルバトール・ローザ」と崇高な気持ちを味わった
あのローザの絵か!」
と感じてもらいますと、読書会や洋食器講座で得た知識が定着すると思いますよ。

なんて言ったって、今回はちゃんと「グランドツアー」「ピクチャレスク」というグループを作っているのですからね!こんな機会、なかなかないんですよ。

英国小説翻訳家の小池滋さんも著書に書いています。

これもあんまり世界の美術史の中では一流扱いしてもらえませんので、ご承知の方は少ないかと思いますが、サルヴァドール・ローザというイタリア人です。これはクロード・ロランよりも、もっと日本では知られておりませんね。だからほとんど日本ではその絵をみることはできない。展覧会もまず開かれることはないと思います。

だからこそ、今回の展覧会でぜひ学んで欲しいと思うのです。

カナレット「ヴェネツィア:大運河のレガッタ」1735年頃
100年後の1830年代にここを訪れたアンデルセンがどう思ったのか?
それは読書会「絵のない絵本」で解説しています。

読書会でも言いましたが、印象派のぱっと見でわかる美しい色使いの絵に比べて、確かにあの暗そうで難しそうな絵、分かりづらいですよね。
「そんなに大切な意味があるとも知らずに、グランドツアーの絵はロンドンナショナルギャラリー現地で見たのに、スルーしていました。読書会で学んだので、もう一度ちゃんと見たいです」
という読書会参加者さんからの感想も頂きました。

せっかくのまたとない機会ですので、皆さんも芸術の秋を堪能してください。
感染対策で気軽に行けない、という方は、公式ホームページの解説員の動画や図録もとても丁寧なので、ぜひどうぞ!

※今回お話した内容は、陶磁器de読書会『ジキル博士とハイド氏』動画で詳しい説明が見れます。
ぜひお買い求めくださいね。

この記事を書いた人

玄馬絵美子

玄馬絵美子

薬剤師 / 「陶磁器de読書会」講師
カリーニョを運営する三姉妹の長女。薬局や病院で薬剤師として勤務し、現在子育て中のアラフォー主婦。株式会社アリベでは財務面を担当。カリーニョでは趣味で研究してきた東西の19世紀末~20世紀初頭の文化・様式・芸術の世界を紹介するコラム執筆、読書会を主宰する。
【これまでの実績】
全国のMR経験薬剤師が作る転職応援サイト『MRファーマシスト』にてマネーコラム連載。
新聞の文芸欄掲載多数。