今年は日本×オーストリア友好150周年の記念すべき年

ウィーンの展覧会が目白押し!
とにかく今、ウィーンに大注目

以前からもお伝えしているように、今年は日本とオーストリアの友好150周年ということで、様々な展覧会などのイベントが目白押しです。なぜこんなにもカリーニョがくどいくらいにこのことをお伝えしているかというと、洋食器を語る上で、ウィーンの芸術なくては何も始まらないところがあるからです。

今回は、今年のオーストリア関係の話題を紹介しましょう。

ウィーンで流行した世紀末芸術について解説しています。

①オーストリアの若き大統領クルツ首相来日

32歳という若さのオーストリア大統領、クルツ首相。先だって2月に来日し、15日に安倍首相と会談しました。また、10月には新天皇即位の礼に再び来日するそうです。

②【開会間近】クリムト展――ウィーンと日本1900――

東京都美術館 4月23日~7月10日

公式ホームページはこちら

これぞクリムト!という上の画像の絵の他、点描画のような風景画や、美しく穏やかな少女の像など、典型的なクリムトの絵からは想像できないような作品もあり、クリムトの底の深さを感じられるような作品群です。

③【開会間近】日本・オーストリア外交樹立150周年記念

ウィーン・モダン クリムト、シーレ ――世紀末への道――

国立新美術館 4月24日~8月5日

公式ホームページはこちら

これ、すごいです。ウィーン・ミュージアムの改装工事にともなって、一時預かり的に日本で一挙公開なのですが…。

クリムト・シーレ・ココシュカという3大世紀末巨匠の作品はもちろんのこと、音楽の教科書に載ってて見覚えのあるシューベルトの肖像画や、あのお馴染みエリザベートの肖像画、更には建築も、インテリアも、ファッションも、歴史も、音楽も全て展示してあるというてんこ盛り展示会で、これ1回でウィーンの全てがわかるんじゃ!?というくらいの作品群です。

④【秋が待ち遠しい】日本・オーストリア友好150周年記念

ハプスブルク展――600年にわたる帝国コレクションの歴史――

国立西洋美術館 10月19日~2020年1月26日

公式ホームページはまだないようです。

ですが、ウィーン美術史美術館が友好ムードを盛り上げようと、総力を挙げて提供してくれるようなので、期待大ですね!

ヴィジェ・ルブランのマリーアントワネット肖像画、そして上の絵にあるようにベラスケスのマルガリータも来るみたいで、これは期待大ですね!

私もマルガリータ王女のは、この青い服のが一番好きです。
20年ほど前、ウィーンで本物を見た時には、これらの分野に造詣の深い同行者と共に感動しました。

彼女が8歳頃の絵ですね。これは、いわばお見合い写真と同じような用途で使われた肖像画で、スペイン王の娘であったマルガリータを「マルガリータはこんなに大きくなりましたよ」というために、スペインの宮廷画家ベラスケスが描き、嫁ぎ先予定のハプスブルク家に送ったわけですね。

で、ハプスブルク家レオポルト一世と15歳の時に結婚するのですが、夫婦仲はよく6年間に6人の子供を妊娠するものの、もともと病弱で6人目の出産直後に亡くなってしまいます。わずか21歳の早すぎる死ですね。(しかも、出産した子供は多くは早世し、生き残ったのは1人だけ。)
この悲劇もあって、このマルガリータの肖像画は非常に人気が高いです。

⑤【開会中】世紀末ウィーンのグラフィック

――デザインそして生活の刷新に向けてーー

目黒区美術館 4月13日~6月9日 

公式ホームページはこちら

京都国立近代美術館に収められている世紀末芸術のグラフィックデザインが一堂に会する展示会です。クリムトはもちろんのこと、ロブマイヤーとコラボレーションしたヨーゼフ・ホフマンなどの作品も多数。必見です。

この様な感じで、今年は本当にウィーンが熱いです!ぜひ皆様もご堪能ください。

この記事を書いた人

加納亜美子

西洋磁器史研究家 / 料理研究家
「カリーニョ」代表。カリーニョを運営する三姉妹の末っ子。

幼少の頃から洋食器コレクターの父親の影響を受け、食器の持つバックストーリーに興味を持ち、文系塾講師、洋食器輸入会社で勤務後、2016年1月~会員制料理教室「一期会」、2019年1月~高級食器リングサービス「カリーニョ」の運営を始める。
曾祖母は赤絵付けの原料となるベンガラ作りに関わっていたルーツを持つ。