【第6回】イギリス商業の発展の陰には奴隷貿易―ウェッジウッドの創業者の社会貢献② 奴隷解放運動に尽力(1)

(画像出典:トラベルブック

リバプール。
ウェッジウッド創業者のジョサイア・ウェッジウッドと、共同経営者であり親友でもあったベントレーが出会った港町です。ウェッジウッド社で作られた多くの食器も、リバプールを出港してアイルランドやアメリカ、オーストラリアの市場へと輸出されていきました。

アミーゴ先生

リバプールといえば、リバプール出身のビートルズが有名ですよね。

この町は、17世紀ごろまでは小さな港町でしたが、17世紀末から突如として巨大な町に発展します。

その理由が、「奴隷貿易」
実はリバプールでは、アフリカの奴隷を買い付け、新大陸と言われたアメリカ大陸に売り飛ばすビジネスが行われていました。これにより、フランスのマルセイユやナントと並ぶ、有数の港となったのです。

アミーゴ先生

リバプールの隣町マンチェスターは、リバプールの奴隷商人たちの投資により、産業革命を牽引する工業都市へと大きく発展しました。

(奴隷商人によって売られていく黒人親子)

リバプールの町には、当時をしのばせる地名がたくさん残っています。
たとえば、「ボールド・ストリート(Bold Street)」は、当時活動していた奴隷商人の名前(Jonas Bold)から名付けられた地名。

そして、「ジャマイカ・ストリート(Jamaica Street)」は1655年にイギリスが力づくで植民地にした、カリブ海の砂糖の最大の供給地ジャマイカから。ジャマイカは、リバプールを出航した奴隷船の最終目的地でもありました。

そんななか、ウェッジウッドの創業者・ジョサイア・ウェッジウッドが貢献した活動の一つが、奴隷解放運動です。このお話をするには、まずはこの時代の背景をしっかりと把握しておく必要があります。

これを知ると、「そもそも、なぜイギリスが、世界に先駆けて産業革命を成し遂げることができたのか」という、今までお話してきたジョサイアの生きた時代の根本が、すんなりと理解できるかと思います。

アミーゴ先生

元・社会科の塾講師も務めていた私が、できるだけかみ砕いてご紹介していきます。
「歴史が苦手」だったという方も、ぜひ読み進めてみてくださいね!

さて始めていきましょう。

イギリス産業革命の成功は、「大西洋三角貿易」の恩恵

早速ですが、

「大西洋三角貿易」(別名「奴隷貿易」)

この貿易の名前、中学生の時に習ったのを覚えていますか?

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この記事を書いた人

加納亜美子

西洋磁器史研究家 / 料理研究家
「カリーニョ」代表。カリーニョを運営する三姉妹の末っ子。

幼少の頃から洋食器コレクターの父親の影響を受け、食器の持つバックストーリーに興味を持ち、文系塾講師、洋食器輸入会社で勤務後、2016年1月~会員制料理教室「一期会」、2019年1月~高級食器リングサービス「カリーニョ」の運営を始める。
曾祖母は赤絵付けの原料となるベンガラ作りに関わっていたルーツを持つ。