【食器×歴史上の人物 リチャード ジノリ編 (4/7)】新古典様式で流行を捉えた3代目

【食器×歴史上の人物 リチャードジノリ編 ~目次~】

 

フィレンツェに初の直営店を開く

1791年、2代目ロレンツォが亡くなると、3代目には息子のカルロ・レオポルド・ジノリが後を継ぎます。

しかし当時のレオポルドはまだ若く、そのために、しばらく母親に経営を任せて、ヨーロッパ諸国を旅します。その際、特にフランスの国立セーブル製陶所のような場所を訪ねて、さまざまな技術的な知識を蓄えてから帰国します。

 

講師アミーゴ
アミーゴ先生
父親(ロレンツィオ)が「販売」に力を注いだのと同じくらい、3代目のレオポルドは「磁器工場の改善」に強い関心を抱いていたようです。

 

窯の製造に関する技術的な知識を獲得して帰国した彼は、高さ12m、4階建てにもなる巨大な窯を作ったり、1801年にはフィレンツェに初の直営店を開き、市民も磁器を手に出来るようにしたりするなど、積極的に新しい試みに挑戦していきます。

 

新古典様式のインペロシェイプで時代を捉える

レオポルドが3代目を継いだ1790年代から1830年代は、フランス革命、ナポレオン戦争など、ヨーロッパが大きく動いた時代で、芸術の世界では新古典様式が主流となっていました。

レオポルドもルネサンス絵画に深い関心を持っていたこと、何よ彼自身が様式や趣味の新しい傾向を素早く自分のものに吸収する能力に長けていたこともあり、有名画家のフレスコ画や油絵を磁器で複製したり、新古典様式の特徴である古代文明のポンペイやエトルリアのデザインを絵付けして発表するなど、意欲的に新しい作風・装飾に取り組んでいきます。

 

講師アミーゴ
アミーゴ先生
レオポルトが継いだのが1792年からですが、1790年にウェッジウッドの創業者ジョサイア・ウェッジウッドも当時流行の古代文明を大変好んで、古代ローマ・ギリシアの「ポートランドの壺」の復刻版を完成させます。古代文明への憧れが大フィーバーしていた様子が、これらの作品でよく分かりますね。

 


(ポートランドの壺 出典:ウェッジウッド英国サイト

この時期に誕生したのが、インペロシェイプです。当時流行した新古典様式の特徴である「シンプル」さを取り入れています。ロココ様式の優美な曲線や、バロック様式の大胆なうねりを省略し、モダンで直線的なところが特徴です。

 

講師アミーゴ
アミーゴ先生

初代カルロ・ジノリがイタリア初の硬質磁器を完成させ、2代目のロレンツィオが食器セットの販売を展開、そして3代目レオポルドが初の直営店を開き、一般市民にも販売ルートを開拓していきました。

イタリアでの知名度を広げて、次はいよいよ「世界」です!

 

(つづく)

 

【今回のまとめ】

<リチャードジノリ第3期>

1792年~1838年、当主:カルロ・レオポルド・ジノリ侯爵

<貢献したこと>

・フィレンツェに初の直営店を開き、一般市民にも販売を展開

<この時代の流行>

ネオクラシカルスタイル(新古典様式)

<この時代に誕生した代表シリーズ>

・インペロシェイプ
・スカラ

 

 

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【このページの文章を書いた人】
加納亜美子(アミーゴ先生)

株式会社アリベ 代表取締役/『カリーニョ』代表
カリーニョを運営する三姉妹の末っ子。料理教室「一期会」を主宰し、洋食器輸入代理店でのセミナー講師、コラム執筆など多岐にわたり活動中。
通称:アミーゴ先生。これは、”世界中に沢山の友達が出来るような社交的な人になるように”と、父親が「アミーゴ(スペイン語で『友達』)から由来して名付けた「亜美子」にちなんだニックネーム。

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