お客様からのご質問「単色よりも多彩のほうが、値段は高いの?」

先日、初心者のための洋食器講座「ヘレンド編」をご受講された方から、こんなメッセージをいただきました。

A様

ヘレンド動画ありがとうございました!守破離に分けて、また絵やメモを自分で取るような感覚の動画で、あっと言う間の50分でした。


質問なのですが、絵付け後の焼き付けは色により温度が異なり、青色(コバルト)が昔は高温に耐える色だったと聞いたことがあります。

やはり色により焼く温度が異なってくるのであれば、同じメーカー内で単色のものより、ビクトリアシリーズのような色々な色が混じっている方が作業も増えるため、値段も高くなると勝手に理解してましたが、あってますでしょうか?

ヘレンドというより一般的な質問かもしれませんが…。

私たちカリーニョは、食器の製造元や販売元ではありませんが、この内容に関しての回答をシェアします。

加納亜美子の回答

A様

こんにちは。ご丁寧なご感想有難うございます!とても励みになります。またご質問もありがとうございます*私のわかる範囲でお答えいたしますね。

以下、長文になりますので、お時間のあるときにご覧いただければと思います(笑)

同じメーカー内で単色のものより、ビクトリアシリーズのような色々な色が混じっている方が作業も増えるため値段も高くなると勝手に理解してましたが、あってますでしょうか?

↑こちらに関して、私の見解としては「必ずしもそうとは限らない」が回答になります。

はっきりと「YES」「NO」でお答えできないのは、実際に「いろいろな色が混ざっている方が値段が高い」こともあれば、「単色のほうが値段が高い」ということもあるからです。

たとえば、「色々な色が混ざっているほうが値段が高い」例でわかりやすいのは、ヴィクトリア・シリーズだと思います。

(輸入品なので値段は時々変わりますが)ヴィクトリアの中で一番デザインのシンプルな「ヴィクトリア・プレーン」のティーカップ&ソーサーと、プレーンよりも多彩の「ヴィクトリア・ブーケ」では、値段が約1.5倍が違います。

一方で、「単色のほうが値段が高い」例として、私が一番にあげたいのが、なんといっても(?)、アウガルテンの「メロン」シリーズです。

正直、メロンのモカカップの値段を見たとき、「なんでこんなシンプルな柄がこんなに高いの?」「ゼロが一つ多いんじゃないの?」と思ってしまいました。。。(←失礼)

(参考)
アウガルテン「メロン」のモカカップ
単色で、55,440円。
https://www.le-noble.com/d/s/product_info/247027590015/

アウガルテンの定番「ウィンナーローズ」のモカカップは多彩で、26,400円。
https://www.le-noble.com/d/s/product_info/005089590059/

では、なぜメロンは単色なのにこんなに値段が高いのか。以前アウガルテンの方に聞いたことがありました。

その方はこう言われました。

「メロンのようなベタ塗りの単色というのは、色ムラができないようにすることが非常に難しいから。転写紙(プリント)ならムラができずに仕上げられるが、私たちはオールハンドペイントの窯。”転写紙を使ったかのようなベタ塗り”を手描きで再現することは、非常に熟練の技術が必要なの。」

で、ここからは私(加納)の非常に個人的な意見ですが…、確かにメロンが単色でもこれほど高いのは、もちろんこの方が教えてくださったような理由もありますが、私はそれだけではないと思っています。

▶外部から招いたデザイナーにデザインしてもらったデザイン
例)「メロン」は当時の超有名デザイナーであるヨーゼフ・ホフマンがデザイン

▶何かしらプレミアムな理由がついている
例)シリアルナンバーがついている限定もの、専用箱がついている等

本来であれば、A様がおっしゃる通り技術料に比例して値段が高くなるという考えが一般的だとは思いますが、「作品(一点もの)」ではなく「商品(売り物)」である以上は、何かしら各ブランドの経営戦略だったり、デザイン以外の眼に見えない部分にお金がかかっていたりするんだと思います。

A様からの質問に対し、的外れな回答をしていたらすいません。

他に何かご質問ありましたら、どうかお気軽にご連絡くださいませ。
どうか今後ともよろしくお願いいたします*

A様

とってもわかりやすいご説明ありがとうございます!


確かに転写紙でなく全てペインターさんのハンドメイドで単色のベタ塗りは技術が必要なのと、デザイナーさんやプレミアものなど様々な理由が絡んでいて、一概には単色だから値段が高くないとは言えないですね。

納得です。


またアウガルテンやリチャードジノリなど、いつか、オンライン講座の機会ございましたら楽しみにしております。

お気軽にご意見・ご感想お待ちしております

カリーニョは、製造元や代理店を務めているわけではありませんが、お客様からのご質問・ご相談にはできる限りお答えさせていただきます。

何かしら食器にまつわる疑問点がありましたら、私たちの勉強にもなりますので、どうかお気軽にお問い合わせくださいませ*(LINEだと既読が早いです!)

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この記事を書いた人

加納亜美子

加納亜美子

西洋磁器史研究家 / 料理研究家
「カリーニョ」代表。カリーニョを運営する三姉妹の末っ子。

幼少の頃から洋食器コレクターの父親の影響を受け、食器の持つバックストーリーに興味を持ち、文系塾講師、洋食器輸入会社で勤務後、2016年1月~会員制料理教室「一期会」、2019年1月~高級食器リングサービス「カリーニョ」の運営を始める。
曾祖母は赤絵付けの原料となるベンガラ作りに関わっていたルーツを持つ。