女王ヴィクトリア 愛に生きる シーズン2を終えて

クリスマスキャロル流れる大団円のシーズン2
「愛に生きる」人々の人間ドラマ

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波瀾万丈のシーズン2もいよいよ終わってしまいました。本国イギリスでは、8話目が本当の最終回で、9、10話はクリスマススペシャルということで、スペシャル版という形ですが、はやり10話目でかなりの進展がありますので、10話が最終回と思ってよいでしょう。

クリスマスの奇跡、というべきか、カップルが2組誕生し、各人のわだかまりも晴れて溶けて、大団円の聖夜となりました。出来すぎのきらいもありましょうが、私はこういったハッピーエンドがとても好きです。

ヴィクトリア女王とアルバート公夫婦にとって、クリスマスは特別です。というのも、今のクリスマスツリーを飾り、カードを送り、プレゼントを贈る、という習慣を根付かせたのは、ほかならぬヴィクトリア時代だからです。もっというと、ドイツの習慣だったクリスマスツリーを初めてイギリスに「輸入」したのが、ドイツ出身のアルバート公だったからです。

作中でも、アルバート公は普段の冷静沈着な姿からは想像ができないくらい大興奮して、入念なクリスマスの準備にとりかかります。

ドラマのセリフでもありましたが、アルバートにとってクリスマスとは、

「昔の兄エルストと私のような何か、つまり私があの頃感じ考えていたのと同じようなものを、私は今子供たちに求めようとしているのです。子供たちがクリスマス・ツリーに感じる悦(よろこ)びは、昔の私たちに勝るとも劣りません。」

(1847年12月アルバート公がケント侯爵夫人(ヴィクトリアの母)に送った書面より)

なのですね。こうした王室のクリスマス風景がニュースで取り上げられるようになり、王室にしては質素で家庭的に暮らしていたヴィクトリア女王家族は、中流家庭にとって良きお手本の家族像となっていきます。

当時描かれたヴィクトリア女王とアルバート公の家族がクリスマスを祝う様子

ヴィクトリアとアルバートの子供時代の家庭環境は、決して温かなものではなく、幸薄いものでした。しかし、二人は互いの本音を吐露しあいながらそれを乗り越えていきます。試行錯誤を重ねながらも幸福な家庭を追求していくんだ、「王室」という規制だらけの環境の中でも、自分たちで新しい価値を見出していくんだ、という二人の決意を大いに感じる最終回でした。

Surprise visitors and intimidating relatives threaten to ruin Queen Victoria’s holiday, while Albert works hard to recreate the joys of his childhood Christmas. Will his efforts spark the perfect winter romance?

この記事を書いた人

玄馬絵美子

玄馬絵美子

薬剤師 / 「陶磁器de読書会」講師
カリーニョを運営する三姉妹の長女。薬局や病院で薬剤師として勤務し、現在子育て中のアラフォー主婦。株式会社アリベでは財務面を担当。カリーニョでは趣味で研究してきた東西の19世紀末~20世紀初頭の文化・様式・芸術の世界を紹介するコラム執筆、読書会を主宰する。
【これまでの実績】
全国のMR経験薬剤師が作る転職応援サイト『MRファーマシスト』にてマネーコラム連載。
新聞の文芸欄掲載多数。