「グレーテルのかまど」のレモンパイ

レモンパイはイギリスのおふくろの味
レモンとイギリスとの深い関係

7月も下旬だというのに、梅雨が続いていますね。夏休みシーズンに入ってもこの梅雨模様は、私の記憶している限りにはなかったような景色です。

さて、そんな梅雨ダルの時期や、蒸し暑い夏の陽気には、さっぱりとしたレモンが妙に恋しくなったりしませんか?レモネードや、レモンパイは、イギリス人にとっての心のふるさとの味だそうで、レモンは英国にとってはとてもポピュラーな食べ物です。

このレモンパイ、私は5年ほど前にNHKEテレの「グレーテルのかまど」で知りました。「グレーテルのかまど」とは、小説や映画などで登場したり、著名人とのかかわりの深いお菓子を紹介する、ちょっと異色の料理教養番組です。レモンパイは、パイ生地の上に「レモンカード」をのせ、うず高いメレンゲで蓋をしたお菓子です。

「レモンカードlemon curd」というのは、カスタードクリームにレモン汁が入っている、ペースト状のものです。手作りもされますが、イギリスでは瓶に入れてジャムのように市販されているそうです。

Amazonより。たくさんの種類があります。

レモンパイのレシピはこちら

NHK「グレーテルのかまど」公式ホームページ「英国トップシェフのレモンパイ」

辻調グループのサイトでも、撮影の裏側を紹介しています。

グレーテルのスタジオから
イギリスとレモンとは、深いかかわりがあります。

レモンはそもそも温暖な気候で育つ植物。ヨーロッパの地中海とか、広島の瀬戸内レモンのイメージがありますよね。それを、貴族の宮殿で「オランジェリー」という柑橘類栽培温室を造ることによって、フランスやイギリスなどの寒冷地でも手に入れることが出来るようになったのですね。ただ、当時は高級品ですから、あこがれの果物だったわけです。

ケンジントン宮殿(ロンドン)にあるオランジェリーでのアフタヌーンティー
ケンジントン宮殿の公式ホームページはこちら

そして18世紀に入り、イギリス人のジェームス・クック船長が、航海中に柑橘類の積極的摂取を推奨したことで、船乗りたちの職業病だった壊血病(主にビタミンC不足から起きる疾病)が激減したのですね。そこで18世紀末からは、英国海軍ではレモンジュースを船員に配給することを義務付けられたのだとか。まさにレモンは、船乗りたちの命を救ったのです。

イギリスとレモンとの深い関係。

そこには清爽な香りと共に、人々の懐かしさと甘酸っぱい思い出がいっぱいに詰まっているのでしょう。

この記事を書いた人

玄馬絵美子

玄馬絵美子

薬剤師 / 「陶磁器de読書会」講師
カリーニョを運営する三姉妹の長女。薬局や病院で薬剤師として勤務し、現在子育て中のアラフォー主婦。株式会社アリベでは財務面を担当。カリーニョでは趣味で研究してきた東西の19世紀末~20世紀初頭の文化・様式・芸術の世界を紹介するコラム執筆、読書会を主宰する。
【これまでの実績】
全国のMR経験薬剤師が作る転職応援サイト『MRファーマシスト』にてマネーコラム連載。
新聞の文芸欄掲載多数。