春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)

久方(ひさかた)の 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ
(百人一首33番。紀友則)

子どもの頃から好きな歌。桜を見ると、思わず口をついて出てくる歌です。
まあ、子どもの頃は「光の”どけき”」という地名か何かがあるものだとおもっていましたがね。(カリーニョスタッフTさんも同じだったようで…私だけじゃなかったんですね)

この歌のいいところ?
それは、上の句の「ひ」の3連続リズムの陶然とした雰囲気から一変、下の句の、この歌の核心である「しづこころなく」の「づ」(濁)音の、人の心を揺さぶるような不協和音ですよ。この言霊が、私の心をずっとトリコにしているのですね。描く情景の美しさは言わずもがなというものですよ。

花は、世の中の動きに無頓着なばかりに泰然と咲き誇っています。だから、「静心(しづこころ)ない」のは、花(桜)ではなく、実は私たち人間の方だったのだ、としみじみ思う昨今です。


関東では葉桜と思いますが、こちらでは先週末から今週が一番の見ごろを迎えています。

今、新学期・新入学・新社会人・結婚と、新生活の門出を迎える方々も多くいらっしゃることでしょう。皆さまのますますのご活躍と、ご健康をスタッフ一同お祈り申し上げます。

この記事を書いた人

玄馬絵美子

薬剤師 / 「陶磁器de読書会」講師
カリーニョを運営する三姉妹の長女。薬局や病院で薬剤師として勤務し、現在子育て中のアラフォー主婦。株式会社アリベでは財務面を担当。カリーニョでは趣味で研究してきた東西の19世紀末~20世紀初頭の文化・様式・芸術の世界を紹介するコラム執筆、読書会を主宰する。
【これまでの実績】
全国のMR経験薬剤師が作る転職応援サイト『MRファーマシスト』にてマネーコラム連載。
新聞の文芸欄掲載多数。