知れば知るほど陶磁器のトリコに!
光がこぼれんばかりの、ルノアールの木漏れ日の絵。
繊細な曲線で女性美を表すような、アールヌーボーの文様。
美しいレースに、揺蕩(たゆた)うような、ドレスの襞(ひだ)。
優美な食器の周りには、いつも美しいモノたちが彩(いろど)りを添えています。
これらのモノたちが放つ輝きやときめきを、皆さんにもお話しすることで、もっともっと、陶磁器の魅力を知って欲しいと思います。

初めまして。カリーニョの玄馬絵美子です。
このコラムでは、カリーニョが取り扱う陶磁器の魅力をより深めてもらうために、陶磁器文化が最も花開いた18世紀から20世紀にかけての文化・様式・芸術を紹介します。
と言っても、堅苦しい講義のようなことはナシでいきましょう。
単調で小難しい話ほど、退屈なものはありませんよね。
簡単で、誰にでもわかるような話でも、十分にモノの本質や魅力が伝えられること、それが私のモットーです。
そして、私は薬剤師であり、この分野の専門家でもありません。ですから、私も勉強がてら、もっと気軽な気分で、お話ししたいのです。
このコラムでは、おもにこれらのカテゴリーのお話をする予定です。
①美術について
陶磁器の絵柄を見るうえで、その時代時代の絵画の流行は、背景知識としてとても参考になると思います。
ちなみに、私が好きな絵画は「印象派絵画」です。これは、多くの日本人が好きな絵画でしょう。もっとも、私は19世紀末~20世紀初頭の文化が須(すべか)らく好きなんですから、むりもありません。
アラベスクなど、美術の中で取り扱われている文様などは、陶磁器にも反映されていますから、これらもお話しする予定です。
②家具について
家具。大好きなモノの一つです。特に、テーブル&チェアは、陶磁器には欠かせないツールですね。私も勉強しながらその魅力を皆さんに伝えられたら、と思います。
③ファッションについて
文化を語るうえで、ファッションは欠かせない分野です。私は子供のころから洋の東西問わず、19世紀末~20世紀のいわゆるコスチュームも大好きで、その時代の映画やドラマ、マンガなどをみると、何とも言えずうっとりしたものです。
④音楽について
私は、どちらかというと音楽は苦手な分野なのですが、しかしその中でもジーンと感動するくらい好きな曲というのがいくつかあります。それらをご紹介しながら、その時代の文化というものを味わってみましょう。
⑤文学について
一般的に言う私の専門は、もちろん薬学ではありますが、それと同等、いやそれ以上くらいの専門が文学です。陶磁器が華やかなりし時代には、当然のように文学もまた、華やいでいました。
私はこれまで、『海と毒薬』 というようなかなり硬質の医療倫理小説なども書評にしてきましたが、このコラムでは、ジェイン・オースティンや、『ダフニスとクロエ』からの『青い麦』など、多くの女性に愛されてきた物語をお話しします。私も、学生の時に読んだこれらの小説を再読するのがとても楽しみです。
その他、料理、様式、建築、映画・ドラマ、マンガ、ナドナド。
参考図書も挙げながら、宝石箱のように美しいモノたちをご紹介していきましょう。
今まで、経済に関することや、文学についてのコラム、また身辺雑記調のエッセイなどを書いてきました。(いくつかは、新聞・雑誌・書籍に掲載されています)
でも、なぜか一番ドキドキワクワクするこれらの分野に関して、まだ一度も書いたことがなかったのです。そのため、今からどんなお話が出来るか、たぶん一番愉しみにしているのは、私自身かもしれません。
燦然ときらめく珠玉のモノたちを紹介するこの連載、ぜひお付き合い下さいませ。
『陶磁器を彩る美しいモノたち』一覧
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