講座レポ【教養として愉しむ洋食器講座∼美術様式編∼】第3回 ロココ様式とルイ16世様式

こんにちは
カリーニョスタッフのTomokoです。

6/23(木) 近鉄文化サロンにて、教養として愉しむ洋食器講座∼美術様式編∼ロココ様式とルイ16世様式∼の陶磁器が開講されました。


はじめに、本日の講座のキーワードとなる「ポンパドゥール夫人」、「マリー・アントワネット」、「ロココ様式」など参加者の方々にどのようなイメージを持っているかを聞かれたのですが、ロココってイメージしやすいのか、それともみなさんがとても熱心な方々だからなのか、非常に的確なお答えが多かったと思います。

ですが、「ルイ16世様式」との違いとなると、みなさんいまいちハッキリと分からないようでしたので今日の講座のポイントとなるキーワードになりそうです。

「バロック様式」とは教会や王様が自分たちの権力を誇示するために誕生した美術様式でした。

「ロココ様式」とは、

ルイ14世により絶対王政から生まれた厳格な文化の反動ともいえる文化・様式で、バロック様式が男性的で豪華絢爛だったのに対し、ロココ様式は貴婦人のサロン文化が発祥だったこともあり、女性的、フェミニン、繊細、耽美なイメージの様式で、ルイ15世の愛妾だったポンパドゥール夫人の影響が強いと言われています。

ロココとは、岩を意味する「ロカイユ」と貝殻を表す「コキーユ」を組み合わせた造語からなっています

また、ロココ様式の時代は、洋食器の時代とも言われているようです。
というのもロココ様式の時代(1715∼1789)は、今も現存する西洋磁器窯が各国で誕生する時期で、前回のフランス編でも解説されましたが、フランスでは、ルイ15世の時代に戦争が続き、国力が衰えてきても、セーブルの前身となるヴァンセンヌ窯を王立化させるなど、ポンパドゥール夫人の庇護のもと文化は発展していきました。

そんなロココ様式の洋食器は、ロココ時代を代表する画家ヴァトーによる雅宴画(ヴァトー画)が描かれたり、あたたかみのある色調、曲線や繊細な模様が多様されているのが特徴で、伝統的なロココ洋食器は、意外と落ち着いていてシンプルなデザインも多いです。

ロココ様式の特徴のワトー画(雅宴画)が描かれた洋食器

後に英国で起こるロココ・リバイバルでは、「ヴィクトリアン・カップ」と言われ、伝統的なロココよりも金彩が華美で、カップ内部にも装飾が施されているものが多く見られます。

その後、現代に作られるロココ洋食器では、これらの歴史がうまく融合してきて洗練された色合いやデザインになってきています。

マリー・アントワネットが愛した様式【ルイ16世様式】


ロココ様式は別名「ルイ15世様式」と言われていますが、「ルイ16世様式」はマリー・アントワネットの夫の名に因んで付けられています。
18世紀後半、ちょうどロココ様式と新古典様式の間に流行しており、新古典主義のすっきりとしたデザインと、優雅なロココ様式の特徴をベストマッチングした様式がルイ16世様式になります。ロココ様式よりも落ち着いた雰囲気がルイ16世、マリー・アントワネット夫妻の本当の姿を醸し出しているともいわれているようです。

ルイ16世様式の洋食器を見分けるポイントは、規則正しくシンプルで洗練されたデザイン、色調も落ち着いたオリーブグリーン、素朴で可憐な小花柄などがあげられます。

ロココ様式とルイ16世様式の違いを参加者みんなで話し合う

本日の講座では、持参されたたくさんのカップやプレートを参加者全員で実際に見て、ロココとルイ16世様式との違いをディスカッションできるワークショップの時間が設けられ、非常に愉しい時間だったと思います。自身が発見したポイントや、他の方々の鋭いツッコミはきっと復習するまでもなく自身の記憶に残る体験となったのではないかと思います。

ロココ様式とルイ16世様式の違いだけでなく、ロココ・リバイバルや現代ロココを見分けるポイントまで知ることができる非常に有意義な講座でした。

次回は、「新古典様式とアンピール様式」の陶磁器です。ここからの時代の変遷で陶磁器がどのように変遷していくのか楽しみです。

ご興味のある方はぜひこちらから!!

募集内容はこちらをご覧ください

 【教養として愉しむ洋食器講座】(近鉄文化サロン阿倍野)

皆さまのご参加をお待ちしております。申し込みは、近鉄文化サロンで受付しています。
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