こんにちは
カリーニョスタッフのTomokoです。
5/26(木)近鉄文化サロンにて【教養として愉しむ洋食器講座∼美術様式編∼】第2回シノワズリとジャポニスム が開催されました。

シノワズリとジャポニスムの違い、わかりますか?
前回の講座で解説されたバロック様式は、17~18世紀ごろのことでしたが、同じ時代に重なって流行していたのが「シノワズリ」です。
バロック様式の陶磁器はレリーフが多様されるのが特徴でしたが、シノワズリは全く違う様式になります。美術様式はその時代にひとつしかないものではなく、同じ時代に異なる様式が流行するということはよくあるので整理して覚えておく必要があります。

シノワズリとは?
ヨーロッパにおける「中国趣味」を意味する言葉で、バロック、ロココ期に流行した中国風の建築や室内装飾、工芸品などを指します。
「中国」といっても実際の中国の事ではなく、インド、東南アジア、中国大陸、日本などアジア全般に対するエキゾティシズム(異国趣味)の総称でこれらの国からオランダ東インド会社を通じて輸入された商品から影響を受けたのがはじまりのようです。

当時のヨーロッパの人々が東洋の文化にあこがれ、模倣したのが、マイセンのブルーオニオンに代表される伝統的なシノワズリデザインです。その後に、花鳥などのパターンのアレンジや、多色使い、人物の描写など西洋独自の文化を取り込んだ西洋風アレンジ型のシノワズリデザインが生まれてきます。
一方、ジャポニスムとは?
19世紀末~20世紀初頭にフランスを中心にヨーロッパ中に流行した様式で、シノワズリとは100~200年ほど時代が異なっています。ジャポニスムの特徴は、長い間「シノワズリ」として中国やインドの文化とごちゃまぜにされていた日本的デザインが、初めてはっきりと区別して認識されたことです。
1867年、日本で「大政奉還」が起こった年にヨーロッパでは「パリ万博」が行われています。開国を余儀なくされた日本が外貨獲得のために美術工芸品を万博に出品し、日本の工芸品が注目されます。
この頃に活躍したモネやドガ、ゴッホなどの印象派たちは、日本美術から影響を受けてジャポネズリ(日本趣味)と言われる日本のモチーフを模倣していきます。そこからさらに、日本美術のもつ色彩表現、画面構図、日本の持つ美意識(小さきものを愛でる文化)まで取り入れ、新しい作風を作り上げていきました[ジャポニスム]。

陶磁器やグラスにおけるジャポニスムの特徴は、昆虫や植物的なモチーフ、淡い色調、単調でシンプルなデザインになります。輸出された薩摩焼を模倣したようなデザインの作品も多くあります。
この時代に作られた作品は超絶技巧のものが多く本当に秀逸ですので見る機会があったらぜひ手に取ってじっくりと眺めて見てください。パっと見ただけではシノワズリかジャポニスムかがわかりにくい作品もありますが、これらの時代背景を把握していたら、どの様式のものかがわかるようになってくると思います。

次回は、ロココ様式とルイ16世様式の陶磁器です。
ヨーロッパの洋食器がたくさん登場しますのでぜひお楽しみに。
ご興味のある方はぜひこちらから!!
募集内容はこちらをご覧ください
【教養として愉しむ洋食器講座】(近鉄文化サロン阿倍野)
皆さまのご参加をお待ちしております。申し込みは、近鉄文化サロンで受付しています。
ご不明な点がございましたら、カリーニョにもお気軽にお問い合わせくださいね。
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