講座レポ 神話で紐解く名画・陶磁器の世界 第6回[豊穣の神ディオニソス]が開催されました

こんにちは。
カリーニョスタッフのTomoko です。

本日は、ル・ノーブル長岡京店さんにて、神話で紐解く名画・陶磁器の世界 の第6回目【豊穣の神ディオニソス】が開催されました。

豊穣の神ディオニソス(ラテン語バッコス、英語バッカス)

神話で紐解く名画・陶磁器の世界もいよいよ今回で最終となる6回目でした。この講座では、オリュンポス12神を中心に学んできましたが、最終回に紹介された神の名は、【ディオニソス】でした。彼は豊穣の神であり、さらにお酒、とりわけブドウ酒の神として非常に有名で、お酒好き、ワイン好きな方なら一度は聞いたことのある神の名ではないでしょうか。

主な権能は、ブドウ、ブドウ酒、陶酔、狂気、演劇、野生、復活などで、自我や本能を解放して境界を越えさせる神とされています。理性的な神であるアポロンとは対比されますが、ディオニソスとアポロンとは仲が良かったようです。

ディオニソスを表す陶磁器にはブドウを描かれた物が多いような気がしますね。

特異な誕生をしたブドウ酒の神

今まで見てきた神々の中でも、特に変わった誕生をしたと言われるディオニソスですが、彼は、ゼウスとテーバイの王女セメレーの間に生まれました。嫉妬に狂ったヘラがセメレーの乳母になりすまし、「ゼウスが本当に愛しているなら神の姿で現れるはず」とけしかけ、セメレーがゼウスにお願いしたところ、神の姿で現れたゼウスの光(雷霆)が彼女を焼き尽くしてしまいました。

ゼウスはそんな彼女からディオニソスを救い出し、自分の太ももに縫い込みます。こうしてディオニソスはゼウスの太ももから誕生し、ヘラから隠すようにしてニュサという場所で成長します。その後、この地でブドウの栽培とブドウ酒の製法を生み出し、酒の神となったようです。

セメレーがゼウスの雷光を浴びて焼け死ぬ場面は数多く描かれています。

しかしこれを知ったヘラは彼を狂わせます。狂ったディオニソスは各地を彷徨いますが、小アジアのフリギュアで女神キュヴェレに助けられこの地で崇拝されていた「キュヴェレの祭り」を伝授され、これを独自に発展させ、信女たちが酒を飲み踊り乱れる祭りを生み出します。この祭りはギリシャ全土を席巻しディオニソスは自身の力でギリシャの有力な神であることを示しました。

ディオニソスは「最も語ることが難しい」とされた神で、今ではワインの神としても有名な神ですが、オリュンポス12神の中でも最も若い神であり、唯一母が人間であったり、最初は神と認められていなかったり、最も異端児であり、最も神殿に籠っていることが少なく、最も人間の前に姿を現すことが多く、最も異名が多く、最も謎めいた神であると言われてきたようです。

そんなディオニソスは、年若い美少年の姿で現わされたりすることもあれば、ビール腹のおじさんのような姿や、女性のような外見で現わされることもあります。

アトリビュートにヒョウ柄⁉

彼のアトリビュートと言えば、ブドウや、ブドウのツタや冠、テュルソス(先端に豊穣の象徴である「松かさ」がついた杖)の他に、ヒョウ(毛皮)やヒョウやヤギが引く凱旋車などがあります。

彼は小アジアやエジプト、インドにまで旅して各地にブドウ栽培とワイン作りをを広めたと言われるため、ヨーロッパには存在しないヒョウなどの動物と結び付けられているようです。彼が各地を回ってくれたおかげで広く知れ渡り、私達もその恩恵であるワインを飲むことができてたんですね。ディオニソスに感謝しないといけませんよね。

彼はひとりで旅していた訳ではなく、ディオニソスを崇拝する女信徒マイナス(お酒に酔って、笛やタンバリンを持って踊っていることが多く描かれています)そして、半身がヤギであるサテュロスと言われる従者も一緒に描かれることが多いです。体のどこかにヤギの特徴がみられたらサテュロスの可能性が高いです。

他には、陽気で太っている老人の姿で絵が描かれることの多いシノーレス(田園の神)がいます。彼は幼少時代のディオニソスを育てたとか、アポロンの息子だという説もあるようです。そんな彼らと凱旋車に乗って現れる様はカーニバルのパレードのようですよね。後にバッカナール(バッカス祭)としてバッカスを祀り豊穣を司る祝祭がギリシャ全土に広まっていくようになったようです。

ディオニソスに関連する陶磁器

ディオニソスに関連するといえばやはり、ブドウのツタが挙げられると思います。ヘレンドの「ワインリーブ」はその名の通り、ブドウのツタがカップに描かれておりディオニソスやギリシャ神話がイメージされる素敵な柄になっています。

他には、ウェッジウッドの「コーヌコピア(豊穣の角)」があります。豊穣の角“コーヌコピア”は、豊かさのシンボルとして登場する縁起の良いモチーフです。こちらは角のようなものにサテュロスが描かれていて、中世的なイメージのディオニソスらしく男性にも使いやすいデザインのシリーズになっています。

~神話で紐解く名画・陶磁器の世界~を全6回受講し、率直な感想は、とても面白かったなと感じます。今回のシリーズは、美術館に行ったときに即効で役立つお話が多く、アトリビュートを知るだけで描かれている神々をすぐに見つけることができ、神々の特徴、さらに、どのようなシーンが描かれているのかまでわかるようになりました。

なぜ、ルネサンス期までギリシャ神話は描かれなかったのか、歴史画だから(神様だから)という理由で裸体が描けるようになったなど、その背景を知ることができたことも非常に興味深いお話だったと思います。

10月からは、新たに、【歴史と学ぶヨーロッパのやきもの講座】がはじまります。新たなシリーズでは、マヨルカ焼きや、デルフト焼、など陶器(土もの)に焦点を当てた世界のやきもののお話です。どんな陶磁器が出て来るのか、どんな歴史が語られるのか、世界のやきものの話を聞くことで、旅行するときの愉しみが増えそうですね。

ご興味のある方はぜひこちらから!!

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この記事を書いた人

編集部

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