講座レポ「日本史と世界史で紐解く和食器の世界」第1回~有田焼(佐賀) 〜

こんにちは
カリーニョスタッフのTomokoです。

7/22(木)海の日である今日、近鉄文化サロンでは、「日本史と世界史で紐解く和食器の世界」第1回~有田焼(佐賀) 〜西洋の王侯貴族が憧れた日本磁器〈安土桃山〉〜の講座が開催されました。

これまで洋食器についての講座をしてきた亜美子先生ですが、満を持しての和食器についての講座でした。

出口治明さんの著書「日本史はない」の引用からはじまります。日本の歴史はすべての世界の歴史とつながっていて、世界の歴史から日本の歴史を理解することでよりいっそう日本史を知る面白さが倍増します。

日本のやきもの(磁器)たち

日本のやきものの源流を知る!

日本のやきものには2つの源流があり、1つは[猿投窯(さなげよう)]から、もう1つは[朝鮮系の窯]から影響を受けた産地があるようです。猿投窯とは須恵器と呼ばれる陶器から、さらに釉薬を施したやきもののことで、主には陶器(土もの)の産地になります。そして、朝鮮系の窯に影響を受けた窯には有田焼などの磁器(石もの)系と、薩摩焼や萩焼などの陶器(土もの)の産地があります。

本日のテーマである【有田焼】は、日本磁器発祥の地(1616年)であり、朝鮮系の窯が誕生した土地のひとつです。

有田焼の3つキーワードを知る

有田焼は ①日本磁器発祥の地であり、1616年に泉山磁石場で陶石が発見されたことからこの地で磁器が造られるようになりました。②「文禄・慶長の役」の時に日本軍に連れて来られる形で来日した「李参平」(日本名 金ケ江三平)が陶祖と言われています。また、③伊万里港から輸出されていたため、「伊万里焼」「古伊万里」「イマリ」と呼ばれるようになります。

有田焼には様式がいくつかあり、①初期伊万里、②初期色絵、③柿右衛門様式、④金蘭手様式、⑤鍋島焼など時代とともに様式が変遷していきます。①景徳鎮の模倣、②それに色絵付けが入り、③余白を生かした鮮やかな色絵が描かれるようになり、さらに④金彩を施した豪華絢爛な絵付けが描かれます。⑤鍋島焼に関しては、徳川将軍家の献上用として作られた格調高いデザインが特徴となっています。この様式を理解していると、有田焼を見たときにどの様式のものかがわかるようになりますね。

文禄・慶長の役とは、

豊臣秀吉の時代に朝鮮侵略をするために行われた戦役の総称で、明を征服する足掛かりとして、李氏朝鮮に乗り込んだのですが、この文禄・慶長の役は、別名「やきもの戦争」とも言われています。

秀吉の生きたこの安土桃山時代は空前の「茶の湯ブーム」であり、侘茶の隆盛とともに朝鮮系の高麗茶碗が茶碗のなかでも最高の物のひとつとされ、秀吉はそれらの茶碗を「自分たちでも作れるようになりたい」と考えたことから、朝鮮の陶工たちを日本に連れて来るきっかけになりました。

李朝時代の朝鮮は、中国(明)の属国で造られたものは収奪され、貧困に喘いでおり、職人である陶工たちは支配階級の中で冷遇されていました。日本が、破格の待遇で陶工たちに保護を確約したため、自ら望んで日本に向かった物も少なくなかったようです。

文禄・慶長の役が起こった最大の理由は‥〈世界史軸〉

この頃、ヨーロッパでは、スペイン系ハプスブルク家が統治するスペインが最強の時代でした。スペインはフィリピンを拠点に東アジア諸国の植民地拡大を進めており、日本にも、キリスト教伝道とともに日本の情報収集を目的としてフランシスコ・サビエル(1549年に)が来日してきます。

この状況を受け、秀吉は日本がスペインの支配下になってしまうことを避けるため、スペインより先に中国(明)を日本の支配下に置こうとして朝鮮を侵略していったようです。その戦争後に日本に連れて来られた陶工たちによって日本で磁器が造られるようになりました(有田焼)。

こうして日本でも造られるようになった日本の磁器は、大航海時代に中国磁器とともに、ヨーロッパ諸国で珍重されるようになります。

ヨーロッパで、磁器は「白い金」と呼ばれ、王侯貴族たちを魅了するのですが、やがて、自国でも作れるようになりたいという想いから、ドイツでマイセン磁器が誕生していくことになります。(詳細はマイセン編へ

日本史を日本史だけで学んでいたのでは理解できなかった歴史が、こうして世界の歴史とともに照らし合わせていくことで【有田焼】がどういうやきものなのかがとてもよくわかりました。

本日は1回目ということもあり、概要の方が詳しく解説されましたが、とても興味深い内容に受講者の方々も熱心に聴講してくださっていたように思います。

非常に興味深い[和食器]の歴史

近鉄文化サロンで新たに始まった講座、【日本史・世界史で紐解く和食器の歴史】 は全3回です。

日本はもとより、世界の歴史から紐解くことで、より和食器に対して面白さと愛着が湧いてくる気がしま

ご興味のある方はぜひ!!

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【新講座】日本史・世界史で紐解く和食器の歴史(近鉄文化サロン阿倍野)

皆さまのご参加をお待ちしております。申し込みは、近鉄文化サロンで受付しています。
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