こんにちは。
カリーニョスタッフのTomoko です。
本日はル・ノーブル長岡京店にて、神話で紐解く名画・陶磁器の世界 が開催されました。
第2回目の今日は、【海の神ポセイドン】でした。

はじめに、前回の復習からです。父クロノスから兄弟たちを救出したゼウス。さらにゼウスは、長兄ハデスと次兄ポセイドンと協力し、クロノス率いるティーターン神族に戦いを挑み勝利します。この時キュクロプスからゼウスは[雷霆]、ポセイドンは[三叉の鉾]、ハデスは[被ると姿が消える兜]をもらい受け、全世界統治の配分をなんと!くじ引きで決めたのでした。その結果、ゼウスは天界を、ポセイドンは海界、そしてハデスが冥界を治めることになったのでした。
ポセイドンは、海と地震を司る神!!
ポセイドン (ラテン語 :ネプトゥヌス, 英語 :ネプチューン)は、最高神ゼウスに次ぐ圧倒的な強さを誇る神で、海洋の全てを支配し、怒り狂うと強大な嵐や洪水、地震を引き起こします。泉の守護神、地下水の支配者ともされ、競馬の守護神でもあるようです。
そんなポセイドンの“アトリビュート”は、三叉の鉾(トライデント)。これは見た目にもとてもわかりやすいですよね。他には、海に関するモチーフ全般で、特にはイルカ。そして海を走る馬(ヒッポカンポス)上半身が馬で、下半身が魚やイルカになっています。
ウォルター・クレインの「ネプチューンの馬」に描かれたように海の白波が白馬の連なったように描かれた姿や、彼の子供には馬になった者などが多いことからも馬がアトリビュートとして描かれることが多いようです。

白波に見立てた白馬が連なる絵は圧巻。波の上にいるポセイドンが「サーファーのちょい悪オヤジ」に見えますw
気分屋で闘争好き、褐色の肌に堂々とした体格、豊かな髭を持ち、女性好きな彼を『ちょい悪オヤジ』のようだと言う亜美子先生に納得です。
そんな彼の妻は、海の女神アンピトリテ(amphitrite。アンフィトリテとも)です。美しい彼女に一目惚れした彼は強引に求婚を迫りますが、彼女はそれを拒否し、身を隠しました。そこへやってきたイルカが、落ち込んだポセイドンを慰め、アンピトリテを説得し、めでたく2人は結婚することができたようです。その功績を称え、ポセイドンがイルカを星座にしたと言われています。

この絵画にもたくさんのアトリビュートが描かれています
この2人から生まれた子供が「トリトン」(半身人間、半身魚)で、法螺貝をラッパのように吹いているのが特徴です。彼もポセイドンのアトリビュートしてよく描かれています。
そんなポセイドンですが、浮気者なゼウスと変わらないくらい、いえ、ゼウスを抜いているのではないかと言われるほど恋多き神なのです。全ての恋が成就したわけでは無いようですが、それは粗野な性格が災いしているのでしょうか?w。デメテルやハデス、メデューサとの関係についても説明されました。
今回は、たくさんの絵画の紹介とともに、陶磁器でも彼のアトリビュートをモチーフにした作品が紹介されました。
西洋最古の磁器窯であるマイセンでも、造形師ケンドラー(1706~1775)により、バロック様式の特徴である浮彫装飾や躍動的なデザインを配した作品(スワンサービスをはじめとする)が作られています。マイセン展などでも見ることができる磁器で作られた彫刻ではポセイドンをテーマに作られたものも多数あります(四大元素の水、ヒッポカンポスの引く凱旋車に乗るネプトゥヌス、アンフィトリテの勝利など)。

また、イルカ(幸福を呼ぶ神話上の架空の魚)をモチーフにした食器デザインについてもヘレンドの「ドルフィン」やウェッジウッドの「ドルフィン」が紹介されます。ウェッジウッドは神話モチーフのシリーズも多いことで有名だそうですが、創始者ジョサイア・ウェッジウッドが熱心な貝類研究者であったことから貝のデザインのシリーズも多かったようです。
アイルランド最古の磁器窯であるベリークの【パリアン磁器】も紹介されました。その名も「ネプチューン」。このパリアン磁器、大理石を模したような質感を持つもののようですが、薄くて硬くて表面が艶やか。さらに、繊細な造りで、持ってみると、まるで本物の貝殻のような軽さに驚きます。これは本当に感動しました。
このようにギリシャ神話のモチーフを使った美術品や陶磁器たちが、[ポセイドン]だけでもこれだけあることを思うと、何気なく見て来た物の中には、素通りしてきたものがたくさんあったんだろうなと今更ながらに思います。
神話を学ぶことで、歴史、星座、美術品の見方まで変わってくるこの講座は、まだまだ始まったばかりです。
次回の講座は「戦いの神アテネ」です。オトナの学びの時間が今から非常に楽しみです。
ご興味のある方はぜひこちらから!!
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