今日は「陶磁器de読書会」の第8回『高慢と偏見』(※小山太一訳では『自負と偏見』)でした。
会場は、岡山にあるアンティークハウス・ポートベロさん。最近WEBサイトがリニューアルされて、その美しい世界観をネット上で愉しませていただいています。
(画像出典:https://www.portbelo.com/)
私は岡山での参加はできないため、カリーニョのスタッフTomokoと一緒にオンライン受講しました。
この読書会、文学に馴染みの少ない受講者(=私)目線で見たときに、何が良いかというと、まず玄馬がいつもその課題本の「なぜこの作者(物語)がスゴイのか」ということを冒頭で伝えてくれること。
たとえば今回の『高慢と偏見』の著者ジェーン・オースティンの場合は、彼女が「その後の”恋愛小説の典型”をつくりだしたパイオニア作家」であること、そして「”元祖ツンデレヒーロー”の主人公の性格を創り出した」ところがスゴイ、というのです。
それを聞いておくと、「自分がイメージする恋愛小説の典型」に物語を照らし合わせながら、「主人公のツンデレぶり」にフォーカスして解説を楽しむことができるようになるのですね。講座を聞く際に、こういった指標を最初に聞かせてもらえると、まだこの本を読んでいなかったとしても、ストーリーをものすごく理解できるようになります。むしろ読書会を受講した後は、全く読んでいないのに、その本を読み切ったかのような感覚さえ味わうことができます。笑
また、物語が描かれた当時の流行についても、しっかり学ぶことができます。たとえば、『高慢と偏見』が出版された当時(19世紀初頭)は、産業革命によりピアノが大量生産できるようになり、演奏家だけではなく比較的裕福な一般市民もピアノを演奏する愉しみが味わえるようになりました。
ベートーヴェンは、この時代に西洋音楽史で初めて宮廷や教会に雇われない「完全フリーの音楽家」として、市民音楽分野を開拓していきます。そうか、だからベートーヴェンはレディが弾きやすい「エリーゼのために」などのピアノ曲を作曲していたのだと、なるほど納得しました。
こうやって課題本『高慢と偏見』を、当時の時代背景や文化を丁寧に紐解きながら、原書や他の訳本、夏目漱石や三島由紀夫の書籍からの引用を用いながら多角的に解説してもらい、あっという間の90分でした。
ちなみに今日は講座の最後で、とある受講者の方から出た英国の階級社会に関する質問とその回答がとても興味深かったです。どんな質問でどんな回答だったのか……それは是非、動画でご覧くださいませ!(これから編集作業に入るため、販売時期は未定ですが。。。販売が開始になりましたら、メルマガでご紹介いたします!)
個人的には今年、イギリス陶磁器をテーマとした講座を開講していますが、英国文学や英国文化に関しては、まだまだまだまだ……本当に学ばないといけない部分が多いと痛感する1年でした。今回『高慢と偏見』を通して、ジョージアン・リージェンシー時代の英国文学・英国文化を学べたことは、今後の活動にとても参考になるものとなりました。
(受講者目線として)絵美子さん、講座お疲れさまでした!
(カリーニョ側の人間として)本日読書会に参加してくださいました皆様、本当に有難うございました!
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