講座レポ イギリス陶磁器編第5回 「ミントン」

こんにちは。カリーニョスタッフのTomokoです。

本日は、草津サロンにてイギリス洋食器編第5回「ミントン」が開催されました。

はじめに、ミントンといえば[ハドンホール]ですよね?と亜美子先生。わたし自身もミントンといえばハドンホールかなと思ってました。
後は、[スポード]の講座の時にウィローパターンの話はミントンの時に!と話されていたのでウィローパターンがあるというのを知っていたくらいでした。

1793年にトーマス・ミントンにより創業した[ミントン]ですが、2015年には完全廃業し、そのアーカイブは売却されることになります。
そのような状況をみて、ストーク・オン・トレントが寄付を募り、ミントンのアーカイブを購入。市が運営する「The Potteries Museum & Art Gallery」で保管されているというのが現在の状態です。

トーマス・ミントンが発案者!?「ウィローパターン」

ミントンの歴史を知る前に、まずはウィローパターンです!!

ウィローパターンはトーマス・ミントンが1780~90年の間に、銅板を利用した転写技術を広めるために、版見本の図柄として物語を創作、その図柄が「ウィローパターン(柳文様)」と呼ばれるようになります。大量生産を可能にする技術は、物語とともにイギリス全土に普及していきます。

その物語は[4コマ漫画]でも紹介されていますが、発案者に関しては諸説あり、1779年にトーマス・ターナーによって導入され、トーマス・ミントンに彫版されたとも、1795年にジョサイア・スポードが発案したとも言われており、この3人が何らかの形でかかわりつつ案出されていったのではないか?とも言われていました。

創業者トーマス・ミントン(1765∼1835)

1765年にストーク・オン・トレントの南西シュロッブシャーのシュルーズベリーで生まれた彼は、1780年頃からトーマス・ターナーのカーフレイ窯で銅板転写の修業を始めます。

1789年にストーク・オン・トレントに移り住み、様々な窯の銅板彫刻の下請けをする仕事をスタートさせ、その後、1793年に陶磁器の一貫製造する窯を「ミントン」の名で立ち上げます。

ミントン窯では、王侯貴族を顧客にしたダービー窯から造型師を誘致し、フィギュアを制作。
ダービー窯の作風を模倣していたこともあり、亡命してきたユグノーの職人を採用していました。

そんな中、長男ウェブは窯の経営に興味が無く英国国教会の聖職者になり、次男のハーバード・ミントンが跡継ぎとして陶工の道に進みます。

やっぱりここでも宗教問題!!

この頃、英国ではゴシック・リバイバルが流行し、ゴシック・リバイバルの提唱者とも言われる[ピュージン]という建築家に2代目ハーバードは感銘を受けます。
ピュージンが[象嵌タイル]の復刻を望んでいることを知り、ハーバードは象嵌タイルの復興に着手しますがこれには莫大な費用がかかるため、父トーマスに大反対されます。

ミントン一家は英国国教会(プロテスタント派)。ミントンの職人たちもフランスから亡命してきたユグノー教徒(プロテスタント)。
しかし、次男ハーバードはピュージンなどカトリック信者を懇意にし、ゴシック・リバイバル建築に映えるタイル作りに没頭していたため、1836年にトーマスが死去するも、ミントン窯の権利を長男ウェブに譲渡すると遺言されてしまいます。

長男の支援でハーバードは社長を続けることができましたが、彼の存命中は作品に「ミントン」の刻印が入ることはなかったそうです。

ウェストミンスター宮殿に使われた「ミントンタイル」は大ヒットし、数々の建築物にミントンタイルが採用されていきます。
ヴィクトリア女王から「エキゾチックバード」の発注を受けたり、私邸オズボーンハウスにもタイルが採用され、ヴィクトリア女王からは後に、王室御用達の称号も賜ります。

3代目(ハーバードの甥)コリン・ミントン・キャンベルの時代にはジャポニスムやアールヌーボーの時代になり、フランスから陶芸家レオン・アルノーを誘致し、円熟した技術が施された素晴らしい作品が多数作られていきます。
三大技法が取り入れられたこの頃の[エキゾチック・バード]は、ぜひ本物を見てみたくなりました。

現在は、完全廃業してしまったミントンですが、今もなお、その作品の素晴らしさは変わりません。
生の作品を見ながら講座を受講することで、とてもリアルに感じることができたと思います。

次回、初心者のための洋食器講座~イギリス洋食器編~最終回は、【ウェッジウッド】です。
お楽しみに!!

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