講座レポ テーブルウェアで学ぶ美術様式と食器デザイン第5回[アールヌーヴォー・アールデコ]

こんにちは。
カリーニョスタッフのTomoko です。

本日はル・ノーブル長岡京店にて、テーブルウェアで学ぶ美術様式と食器デザインの第5回【アールヌーヴォー・アールデコ】が開催されました。

アールヌーボー・アールデコを表す陶磁器たち。

古き良き、なのになぜか新しいこの時代、わたしもこの時代がとても好きです。
19世紀中頃のパリは、人口が密集し、ゴミ処理や下水道が整備されておらず、窓から投げ捨てられた排泄物や生ゴミでいっぱいでした。

そんな不衛生な状況からコレラが流行→貧困→犯罪へと負のスパイラルに陥っていたパリを清潔で明るく治安のいい街へ戻す「パリ大改造」が行われ、明るく近代的な都市へ変わりました。

「ベルエポック(Belle epoque)」とは?

19世紀末〜20世紀初頭(1914年第一次大戦以前)パリが繁栄した華やかな文化をいい、いわゆる【華の都パリ】というイメージの時代のことです。

ベルエポックは貴族や教会ではなく、一般市民から発祥した初の文化降興であり、貴族だけでなく大衆がショッピングや観劇、グルメなどの消費文化を楽しむようになります。

その頃オーストリアのウィーンでは世紀末芸術という美術様式が発祥し、クリムトに代表される分離派と呼ばれる芸術家たちが活躍していました。
無邪気で明るく、華やかなベルエポックと違い、世紀末芸術の表すものは幻想的、退廃的、破滅的、性的、爛熟であり、第二次産業革命により飛躍的に変わっていく世の中への不安感をあらわしていたようです。

どうなるんだろう…ゾゾゾ派が、ウィーンの「世紀末芸術」
どうなるんだろう…ワクワク派が、パリの「ベルエポック」
と、覚えてくださいと亜美子先生。なるほど納得。とても分かりやすいですよね。

アール・ヌーボー(Art nouveau 新しい芸術)とは、19世紀末~20世紀初頭に、パリを中心として発展した芸術様式をいい、1900年のパリ万博は「アール・ヌーボー展」とも呼ばれ、流行の頂点でもありました。サミュエル・ビングがパリ万博のギャラリーでアール・ヌーボー(新しい芸術)として紹介したことから由来しています。

アール・ヌーボーを代表する画家 [アルフォンス・ミュシャ] のポスター。

ベルエポックとアール・ヌーボーの違い⁉️

「アール・ヌーボー」は、建築、家具、インテリア、工芸品(陶磁器含む)、絵画というアート領域(芸術様式)の名称であり、「ベルエポック」は、娯楽、スポーツ、電化製品などによるライフスタイル、社会規範、文学、芸術など、文化領域までと範囲が広く、つまり、「ベルエポック」の1つとして、「アール・ヌーボー」があります。

この美術様式は、柔らかく優美な曲線を描いた文様が特徴で、自然の植物や花、昆虫をモチーフにした装飾が多く(ジャポニスムの影響⁉️)、ガラスアートや工芸品、アクセサリーや家具、ポスターなど多様でした。

「ロココ様式」もフェミニンで曲線が多かったのですが、ロココ様式は貴族から発祥した美術様式で、アールヌーボー様式は民衆が発祥です。
さらに、ロココ様式は明るい明色で、パステルカラーがコンセプトカラーなのに対して、アールヌーボー様式は、やや色の濁った淡濁色。くすんだイエローグリーンやモカ、乳白水色などがコンセプトカラーです。

アールヌーボーを代表する画家、ミュシャ。彼の描くポスターのイメージそのものです。

第一次大戦後の流行はアール・デコ

アール・デコ(Art Deco 装飾芸術)とは、1920年~1940年ごろに流行した美術様式です。
アール・ヌーボーの流行が第一次大戦とともに下火になり、その装飾性への反作用であるかのように、モダンな直線と曲線の幾何学的なデザインがアール・デコの特徴です。要するに、アール・ヌーボーとは正反対!ということです

モダンな外観の建築物や、家具、人々の服装までが現代に通ずるようになり、1920年代のアール・デコで、長い長い美術様式の終着点を迎えたと言われています。
アール・デコ様式の建築物や工芸品を見てみても、100年も前にデザインされたと思えないものばかりで驚きます。

アールヌーボーとアールデコを代表する工芸家として、ルネ・ラリックやヨーゼフ・ホフマン、そしてオールドノリタケも紹介されました。

それぞれの時代に活躍した芸術家たちや、その作品たち、彼らの言葉などもたくさん紹介されました。

カリーニョ会員限定コラム【超簡単!美術様式の解説】でも詳しく解説されていますのでよかったらご参照ください。

こちらの講座に興味を持ってくださった方は、ぜひ次回の、美術様式と食器デザイン【モチーフで見る美術様式の変遷】をご受講いいただければと思います。

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