誤解が多い、ボーンチャイナのお話

器で「ボーンチャイナ」という言葉を耳にされたことありますか?

洋食器にかかわる素材を意味するのですが、どういう素材なのでしょうか。英語が母国語ではない私たちが耳にすると、中国という国となにか関係のあるもの?と思うかもしれません。実際そう思われている方も結構いらっしゃり、意味を知って「知らなかった!」とおっしゃることも。

ボーンチャイナは英語でBone Chinaと書きます。Born(生まれる)ではなくBone(骨)のボーンです。

Chinaは中国という固有名詞とは別に「磁器」という意味ももちます。磁器のことをチャイナウェア(Chinaware)というのを聞いたことがあるかもしれませんが、そのChinaです。つまりボーンチャイナは「骨の磁器」という意味なのです。

しかも馬でも羊ではなく、牛の骨・・・

なぜ牛の骨なのか。そこにはさまざまな歴史的背景や、牛の骨に含まれている成分に理由があります。

~必要不可欠な素材が手に入らない!それならば・・・~

はるか昔。中国や日本からたくさんの磁器がヨーロッパへと渡ります。

同じような白く美しい磁器を自国で作り出したいと願った王侯貴族たち。その中でドイツがいち早くヨーロッパで初めての磁器焼成に成功しました。

その磁器を作るために絶対に必要な素材の一つが「カオリン」と呼ばれる鉱物で、その後カオリンを手に入れることができた各国で、それぞれの磁器焼成物語は始まります。

ところがイギリス。フランスとドーバー海峡を隔てていたイギリスでは、良質なカオリンは採ることができず、磁器を作ることができなかったのです。

しかし磁器は当時「白の黄金」と呼ばれるほど価値の高いもの。なんとしてでも作りたい・・・!カオリンが採れないなら、違う素材で磁器を作れないだろうか・・その試行錯誤が実を結ぶのが1784年。

ボウ窯のトーマス・フライという人物が、牛の骨の灰「ボーンアッシュ」を加えることで良質の磁器を作ることに成功したのです。イギリス独特の磁器、ボーンチャイナの誕生です。

なぜ牛の骨なのか?簡単に言ってしまうと、骨灰の中に含まれている成分の量が焼き上がりの色に影響を与え、牛の骨がボーンチャイナの色を出すのに一番適しているとされているからです。

~白さと品質は比例しない~

ボーンチャイナの特徴は乳白色系の温かみがある色味です。他のヨーロッパの白磁器と並べるとその違いはよくわかります。

今日ここで一つぜひお伝えしたいのは、白いから品質が良い、金額高いというわけではないということ。

確かに素地の配合で、白が濁っていたり澄んでいないまま焼きあがるということはあります。しかし現存する陶磁器の窯のほとんどは、長い自国の歴史の中で独自の文化を背景に、それぞれの窯で配合された素地によって生み出されてきた白です。

青みがかっている白、純白なもの、それぞれの白に美しさがあるので、彼らの裏側にあるストーリーを知りながら自分の好みの「白」を見つけるのも、食器を楽しむ醍醐味の一つだと思います。

最後に。今回のテーマ「ボーンチャイナ」を代表するイギリスの磁器メーカーを一つご紹介します。日本でよく目にする機会が多いのは、おそらくウェッジウッドでしょう。

誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。結婚式やお祝い事に愛用されている日常使いのしやすいブランドです。このウェッジウッド、手に取る機会があれば、お皿の裏を見てください。「Bone China」とかかれています。

ギフトとしても間違いなしのウェッジウッド
(写真:左上から ワイルドストロベリーブルーム(プレート)・カッコー(ティーカップ)・スィートプラム(プレート)

「ウェッジウッドといえばボーンチャイナですよね」と言ってみるとちょっと詳しい人、と思われるかも・・・

ウェッジウッドのバックストーリーにご興味がある方は、下記「ウェッジウッドの歴史を紐解くシリーズ」から深堀りできます。

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