『伝えることから始めよう』-今の日本に、何より求められているチカラとは

今朝、高田明さんの『伝えることから始めよう』を再読した際に、ふと去年この本をよむきっかけとなった、とある新聞記事のことを思い出しました。

一年前のGW、ちょうど私が佐賀県の有田に向かう電車の中で、姉の絵美子から写メで送られてきたもの。
それが、日経新聞に掲載された『私の履歴書』の、高田明さんの紹介記事でした。


(そのとき送られてきた画像)

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『伝えることから始めよう』で感動した部分と、1年前に投稿していたこの記事の要約の内容がほぼ一致していたため、去年のブログ記事を一部加筆修正した形で、今日の読書感想文を書こうと思います。

 

高田明さんといえば、あの「ジャパネットたかた」の高田さんです。

高田さんは、2016年に番組MCを卒業してから、自社提供番組「高田明のいいモノさんぽ」にだけは出演しておられ、その番組を通して、日本のある地域を巡り、その土地の人々や風景に触れ、埋もれていた良いものを発見し、紹介しているそうです。

ジャパネットのMCを卒業してから、彼が自分の務めだとしていることは「伝えることの大事さ」を広めること。その中の例として、焼き物の産地の話がありました。

長崎にも佐世保にもいいものはたくさんあるんですよ。佐世保には、私が最初に店を開いた三川内というところに、三川内焼があります。400年の伝統があるんですよ。
でも、有田焼は知っていても三川内焼を知っている人はあまりいないでしょ。長崎県がアナゴと鯛で日本一だってご存じですか?それも知られていないんですよ。そこが地方創生の難しさだと思うんです。
素晴らしいものは日本中にあるのに、伝わっていないだけじゃないかと思います。
(202頁)

さらに、三重県の伊賀焼についても触れていきます。

例えば、三重県には伊賀焼があります。こちらも三川内焼と同じ400年の歴史を誇る焼き物の産地です。機能もデザインも素晴らしいんです。でも、ほとんど知られていませんでした。
ところが最近、伊賀焼に人気が出てきたんです。窯の当主に伊賀焼を伝える人が出てきたんですね。
(202頁)

高田さんは、その窯の当主に、今まで不思議に思っていたことを尋ねられたそうです。

「こんなに立派な焼き物なのに、なぜ佐賀県の有田焼みたいに全国に広く知られていないのですか?」

と。
すると、当主から返ってきた答えが、こうだった。

「作る職人はいたのですが、“売る”商人が少なかったんです」

――― 多くの地域に共通していえるのは、地元にいいモノがあるのに、それを伝えきれていないもどかしさを抱いている、ということ。

とにかく「伝える力」が、今の日本には何より求められているのだと、高田さんは強く主張しています。伝え方ひとつで、世の中に埋もれている商品が輝き出し、働く人が報われるのだと ――。

最近、「地方創生」としきりに言われていますが、地方創生なんてしなくても、すでに地方にはいいものがたくさんあります。
しかし、「伝えなければ、ないのと同じ」。さらに、伝えたことが「伝わらなければ、ないのと同じ」……だからこそ、単に伝える力ではなく、確実に相手に「伝わる力」が必要なのです。

高田さんは、通販で29年、商品の良さを続けた日々で培ってきた能力で、良いモノが良いものだと「伝わる」お手伝いを、今後もしていきたいのだそうです。

私はセミナー講師活動をしていますが、講師業も、一方的に「教える」(伝える)のではなく、伝えたものが、受講者の方々にきちんと伝わっていることで、初めてそのセミナーの意味が見いだせるものだと思っています。

だからこそ、高田さんの『「伝えたつもり」ではなく、「伝わった」で初めて、変化を起こしていけるもの』、という言葉は非常に腑に落ちる、あぁ本当にそうだなあと強い共感を覚えるものでした。

何かしら「伝える」仕事をしている方には、是非おすすめしたい一冊です。

 

【アミーゴの読書感想文】

4冊目:『伝えることから始めよう』(高田明著,東洋経済新報社,2017年)

 

【このページの文章を書いた人】 加納亜美子(アミーゴ先生)

株式会社アリベ 代表取締役/『カリーニョ』代表 カリーニョを運営する三姉妹の末っ子。料理教室「一期会」を主宰し、洋食器輸入代理店でのセミナー講師、コラム執筆など多岐にわたり活動中。 通称:アミーゴ先生。これは、”世界中に沢山の友達が出来るような社交的な人になるように”と、父親が「アミーゴ(スペイン語で『友達』)から由来して名付けた「亜美子」にちなんだニックネーム。

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