高級食器を日常生活で使う理由

私の朝の習慣。
まずは一杯のコーヒー、そして、過去に読んだことのある書籍の、罫線の引かれた箇所を読み直すことです。

過去の自分が感動した部分を読み返しながら、今の自分が同じ部分に感動するのか、あるいは別の部分に感動するのか、過去の自分と向き合うことができる時間・・・

もはや食器のことを考えない日はない、365日毎日食器のことを考えている私ですが、朝に食器に関する書籍を読むことで、そのスイッチが押されているような気もしています。

今朝読みかえしたのは、『ヨーロッパ名窯図鑑』(講談社,1988年)。
先日ご紹介した『美しい洋食器の世界』(講談社,1985年)と同様に、食器産業の売り上げが一番伸びていたバブル期に出版された本とあって、非常に内容が面白いです。

何度も読んでいる本ですが、いつもきまって目に留まるページが、106頁にある『コレクター氏の優雅なたのしみ』という特集内にある実業家の故・邱永漢さん(1924-2012年)のコラムです。

お恥ずかしながら邱さんのことは存じ上げておらず、改めてwikipediaで調べてみたところ、なかなかの波乱万丈な人生を歩まれた方だったようです。

「株の名人で「金儲けの神様」と呼ばれた」という一文もあるくらい資産家だったようですが、そんな邱さんと奥様は高級食器コレクターであり、普段から高級食器を愛用されていたそうです。

誌面で紹介されているマイセン、ロイヤルコペンハーゲン、ヘレンドの銘品の数々は、カリーニョでも取扱い困難なハイクラスのシリーズばかり。なかなかそのような銘品に囲まれた生活を送ることは難しいと思います。
しかし、邱さんの食器に対する「想い」に関しては、非常に共感できる部分が多いです。

たとえば、毎日の食卓で高級食器を愉しまれている理由には

”毎日使うものだからこそ、上等の食器を使いたい。100回使ううち1回割れる可能性があっても、その1回のために100回の楽しみを断念するのは、いかにも残念なことだから”

と答えられており、これはまさしく私たちカリーニョが、割れることのリスクよりも、「使ってもらうこと」を優先したサービスを運営していることにも通ずる想いです。

また、

“1回1回の食事を決してないがしろにしない。そして、食卓を楽しむために、投資を惜しまない。そのため、割れたら取り返しがつかない骨とう品よりも、買い足しがきく現代ものを選ぶことがほとんど。”

という言葉も、レンタルしてもらった食器を「購入したい」と感じていただいたときに手に入りやすいよう、できるだけ現行販売されているものを取り扱うようにしている理由とリンクします。

今日も高級食器の魅力を少しでも多くの方にお伝えする仕事にやりがいを感じながら向き合っていこうと、このコラムを読んで感じるのでした。

 

【このページの文章を書いた人】
加納亜美子(アミーゴ先生)

株式会社アリベ 代表取締役/『カリーニョ』代表 カリーニョを運営する三姉妹の末っ子。料理教室「一期会」を主宰し、洋食器輸入代理店でのセミナー講師、コラム執筆など多岐にわたり活動中。 通称:アミーゴ先生。これは、”世界中に沢山の友達が出来るような社交的な人になるように”と、父親が「アミーゴ(スペイン語で『友達』)から由来して名付けた「亜美子」にちなんだニックネーム。

 

 

 

 

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