【有田訪問記②】「”禁裏”御用達窯」辻精磁社へ

「禁裏(きんり)」。
皆さんはこの言葉を聞いたことがありますか?

禁裏とは、「皇居・皇室」のこと。
つまり、今回のタイトルにある「禁裏御用達窯」というのは、今でいう「皇室御用達窯」を意味します。
(「禁」は厳しく出入りを制限する意味から”帝王の住み処”、「裏」は内部、内側を指します)


(2019年5月。佐賀県立 九州陶磁文化館で撮影。)

今回の有田訪問では、有田で最初の皇室御用達となった辻精磁社(つじせいじしゃ)に行ってきました。

辻家の製品は、主として皇室御用品だったため、一般の方には入手が難しく、愛陶家の間ではとても珍重されていたそうです。

詳細は以下、辻精磁社の説明文をご覧ください。

白磁発祥の地有田において卓越した技術を持つ辻家は、第百十二代霊元天皇の時代(1663年~1687年)、禁裏(皇室)より御用品調製の命を受け、日本で最初に磁器食器を納め、禁裏(皇室)御用窯元になりました。
その後、第百十八代後桃園天皇の時代特旨(とくし)により官職常陸大掾(ひたちだいじょう)に叙せられ、この栄職を明治まで世襲しました。さらに、明治から昭和初期までは宮内省御用達、戦後は宮内庁御用達を拝命し、現在も皇室御用窯元として御用命を賜っております。
(辻精磁社ホームページより引用)

 

辻精磁社はトンバイ堀で囲われています。

トンバイ塀とは、登り窯を築くために用いた耐火レンガ(トンバイ)の廃材や使い捨ての窯道具、陶片を赤土で塗り固め作った塀のこと。
当時は技術が外に漏れないように、窯の敷地をトンバイ塀で囲んでいたのです。

現在ではその塀も開かれ、ギャラリーで作品や皇室御用の品を見ることができます。(以下すべて撮影許可をいただいての掲載)

青の美しさに、思わず言葉を失います。
「美は心で生まれるもの」として、むかしも今も変わらず、奇をてらわずに、真の美しさを追求し続けている辻精磁社の青。

染料には天然の呉須(ごす)を使い、粒子が細かくなるよう日々摺(す)り重ねてから描くそうです。この、薄い青が重なって表現される青の濃淡が、ただただ美しい…。現在は御用窯としての役目を全うしながら、一般食器の作陶にも携わっておられます。

描くものによって筆使いを変えているそうで、動植物がとても生き生きと描かれているのも印象的でした。

“美“ は心で生まれるもの。
“品”は公に育まれてきた伝統。
心に響く品をつくる。
それが私たちの使命です。

辻精磁社のホームページの最初に表示される言葉。
シンプルな表現の中に、品格を感じます。

サイト内にある文様索引はとても参考になりますので、ご覧になったことのない方はぜひサイトもご覧になってみてくださいね。


(最後に、十五代辻常陸先生と一緒に写真を撮っていただきました。)

 

〒844-0003
佐賀県西松浦郡有田町上幸平1-9-8
https://tsujiseijisha.jp/
TEL:0955-42-2411
営業時間:8:00~17:00
定休日:不定

【このページの文章を書いた人】
加納亜美子(アミーゴ先生)

株式会社アリベ 代表取締役/『カリーニョ』代表 カリーニョを運営する三姉妹の末っ子。料理教室「一期会」を主宰し、洋食器輸入代理店でのセミナー講師、コラム執筆など多岐にわたり活動中。 通称:アミーゴ先生。これは、”世界中に沢山の友達が出来るような社交的な人になるように”と、父親が「アミーゴ(スペイン語で『友達』)から由来して名付けた「亜美子」にちなんだニックネーム。

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう