陶磁器de読書会ディケンズ『クリスマス・キャロル』@岡山(ポートベロ)が終了しました

12月13日、陶磁器de読書会ディケンズ『クリスマス・キャロル』@岡山(ポートベロ)が開催されました。
ホントは毎月してほしい、この日を待ってました、と参加者の皆さまからの嬉しいお声です。

全くの初心者から、子供の頃に読んだ方、ミュージカルを見た方、英語原書を読んだ方、と様々な方と共に読み解きを行いました。

テキストは集英社文庫の中川敏訳でした。集英社文庫の表紙は、今年7月のバーネット『秘密の花園』(読書会の様子は、こちらのページをご覧ください)の表紙もデザインした酒井駒子さんなのですよ。2冊合わせると、まるでシリーズのよう!
もちろん、ジャケットねらいで集英社文庫に決めたわけではありません。集英社文庫には、詳しい解説や、註釈、作者の年表、口絵がたくさん。物語の背景を知るには一番いい文庫本だと思い、チョイスしました。

熱烈なファンも多い酒井駒子さんのイラスト
(ただ、惜しいかな、『クリスマスキャロル』の時代には、まだイギリスにはクリスマスツリーが登場しないんですね…。この時代は、ヒイラギを飾るのですね。ああ、誰か時代考証してほしかった…)

ちなみに、この集英社文庫、私が購入した1994年は280円だったのに、約20年後の現在、なんと528円に!ものすごいインフレーションです。一番上の、見出し写真にある青い2冊の『クリスマス・キャロル』は、私が小学校5年生に読んだ集英社少年少女世界名作の森シリーズと、学生時代に読んだ集英社文庫1994年版です。そうなんです、『クリスマス・キャロル』は私の思い出の作品でもあるのですね。

読書会では、映画化、アニメ化、児童文学としてさまざまな形で英米人に長く長く愛されてきた本書の、文学的読みどころを、歴史的背景にも迫りながらじっくりと解説しました。日本人にはあまりなじみのない本書ですが、英米人には好きでも嫌いでも知っておかないといけない必須の教養なんですね。ただ、本書はそもそも児童書ではないんです。ディケンズ特有の、しゃれげてて、皮肉ぶってて、文学作品からの引用も多いウィットに富む大人の文体なのですね。その辺は、少々とっつきにくい部分もありますし、中川訳ではシェイクスピアの引用に気が付いていないで、訳が混乱した意味不明な部分もありますので、その辺も丁寧にレジメ解説しました。

そして、なんといってもヴィクトリア時代を代表する小道具たちがこれでもか!というくらい登場します。その辺のあたりもあれこれエピソードを交えながら皆さまと楽しく語り合いました。

もちろん、私自身も、皆さまからも活発な意見やご感想が飛び交い、作品の読み解きに深みが増して大変勉強になりました。

ヘレンドの「ヴィクトリア」ハンドペイントらしく、絵柄が1枚1枚それぞれ全て違う
リムの細かなレリーフ、波型の縁取り、カップの内側にもソーサーの裏側にもペイントが施されているなど、ハンドクラフトならではのこだわりを感じます。

お茶タイムでは、オーガニックにこだわったのらくろ堂さんフルーツケーキを囲んで、皆さまと子どもの頃に読んだ「クリスマスキャロル」談義。有機ナッツ・有機レーズン・平飼い卵・有機オレンジピールなどのこだわりの材料でつくったフルーツケーキは、とってもまろやかな美味しさ!材料がいいとこんなにも角が取れたお味になるのですね。

のらくろ堂さんのホームページはこちらをご覧ください

ハンガリーの陶磁器メーカーであるヘレンドとヴィクトリア女王の意外な関係など、カリーニョとしてぜひとも知って頂きたい歴史エピソードを感じてもらいながらのティータイムでした。

最後は、テキストのキーワード「God bless us every one」について解説しながら、原書のような高揚感たっぷりのラストで締めくくりました。

 

次回は、2020年2月7日㈮にモンゴメリ『赤毛のアン』、ティーカップは、ロイヤルアルバートの「キャンディーシリーズ」を予定しています。いやー、ついに出ました!という感じですかね。英国の陶磁器と共に、スコットランド系カナダ移民の日常を描いた、陶磁器文化満載のベストセラーで、しばし夢のティータイムを味わいましょう!

また近日中に募集のお知らせをいたしますので、皆さまどうぞご参加ください。

 

【このページの文章を書いた人】 玄馬 絵美子(げんば えみこ)

株式会社アリベ 取締役  / 薬剤師 カリーニョを運営する三姉妹の長女。薬局・病院で薬剤師として勤務後、現在、子育て中のアラフォー主婦。株式会社アリベでは受注・財務面、そしてカリーニョでは趣味で研究してきた古今東西の19世紀~20世紀初頭の文化・様式・芸術の世界を紹介するコラム執筆を担当。 【これまでの実績】 全国のMR経験薬剤師が作る転職応援サイト『MRファーマシスト』にてマネーコラム連載。 新聞の文芸欄掲載多数。掲載作品はこちら(個人ブログ「私の読書遍歴」)

 

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