陶磁器de読書会『三四郎』@岡山(ポートベロ)が終了しました

昨日、陶磁器de読書会『三四郎』@岡山(ポートベロ)が開催されました。
皆さまが楽しみにしておられたとのことを聞いて、とても嬉しかったです。

夏目漱石は全くの初心者から、大学で日本文学を学んだ方、この機会に漱石を読んでみたい方、いろいろな方がおられました。

今回、私が『三四郎』を読むべきポイントとして、秋を舞台にしている理由について詳しくお伝えしますと、皆さん「それは現代人の読者はとても気づきにくいポイントだわ~」とのお声が。秋を舞台にしているからこそ、感じられる登場人物の臨場感が、Amazonや個人ブログなどのレビューで「謎めいたセリフ」「意味のよくわからない出来事」「よくわかりにくいエピソード」とよく書かれている部分などが全て、点と点で繋がって納得いくんですね。
この発見と、味わいを皆さんと共有出来て本当に私も楽しかったです。
これぞ、読書会の醍醐味ですね。

そうなんです。この三四郎、意味不明なエピソードやセリフが随所に出てくるんです。でも、推理小説じゃないですけれど、様々な状況証拠から、「こういうことが起こったに違いない」というある仮説を立てると、その意味不明なセリフやエピソードが、全部明らかになるんですね。漱石の素晴らしい仕掛けです。漱石が描く『三四郎』は、すべて意味があって、それぞれ「それって、わざわざ登場人物に言わせたり、やらせたりする必要、あるの?」というような無意味に思われるようなことをちゃんと意味があって、行わせたんだということがわかるんですね。
ただ、これに気づいているのは、ごく一部の学者や作家さんだけで、『三四郎』を読んだ作家さんの中でもこのことに気づいていない方もいらっしゃる。これを深堀りするのは、理系である私の分析ならでは、とのお声を頂きました。

また、作品に描かれている絵画や小物紹介することで、一層『三四郎』の世界を知ることが出来たと思います。「国語の授業でも、単に登場人物の気持ちとか、情景だけじゃなくて、こんな風に全方向的に教えてもらえたらもっと国語の授業が楽しかったのに!」というお声も。解説者冥利に尽きました。

もちろん、私自身も、皆さまからも活発な意見やご感想が飛び交い、作品の読み解きに深みが増して大変勉強になりました。

お茶タイムでは、手作りバナナケーキを囲んで、皆さまとヒロイン美禰子(みねこ)談義。エインズレイの「サマーセット」はじめ、クランベリー、ブルーベリー、ストロベリー、ブラックベリーなどのワイルドベリーが描かれた多種類のティーカップでお茶を楽しみました。特に、イギリスではブラックベリーを摘み取るフォラジングは、晩夏の名残を楽しむ行事です。

最後は、皆さま「美禰子」になって、お帰り頂きました。美禰子のつけた重要な小物である香水「ヘリオトロープ」、イメージ通りでしたでしょうか?

 

次回は、12月13日㈮にディケンズの『クリスマス・キャロル』、ティーカップは、ヘレンドの「ヴィクトリア」を予定しています。ヴィクトリア女王がお買い上げになったヘレンドの食器と共に、ヴィクトリア時代のベストセラーでクリスマスを堪能しましょう!

また近日中に募集のお知らせをいたしますので、皆さまどうぞご参加ください。

 

【このページの文章を書いた人】 玄馬 絵美子(げんば えみこ)

株式会社アリベ 取締役  / 薬剤師 カリーニョを運営する三姉妹の長女。薬局・病院で薬剤師として勤務後、現在、子育て中のアラフォー主婦。株式会社アリベでは受注・財務面、そしてカリーニョでは趣味で研究してきた古今東西の19世紀~20世紀初頭の文化・様式・芸術の世界を紹介するコラム執筆を担当。 【これまでの実績】 全国のMR経験薬剤師が作る転職応援サイト『MRファーマシスト』にてマネーコラム連載。 新聞の文芸欄掲載多数。掲載作品はこちら(個人ブログ「私の読書遍歴」)

 

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