【第20回】ユージェニー王妃がヨーゼフ皇帝にもてなしたヘレンド「インドの華」

陶磁器を彩る美しいモノたち
1867年パリ万博でデビューした「インドの華」
漱石とフランス王妃とヘレンドとの意外な関係

 

今月から日経新聞で夏目漱石の生涯を描いた連載小説「ミチクサ先生」(伊集院静)が始まりました。いやー、楽しみです。タイミングがいいですね。明日の読書会が漱石『三四郎』がテーマなので、がぜん興味深い。毎朝読んでいます。

日経新聞公式ホームページの『ミチクサ先生』はこちらをご覧ください。

で、おもしろいのがこの「ミチクサ先生」、始まってから連載7回までの間、漱石がまだ誕生せず(漱石は1868年1月生まれ)、なぜか1867年のパリ万国博覧会の話をするんです。面白いでしょう?

1867年、パリでの万博開催で、初めて日本が正式に参加するのです。この時、日本は江戸幕府の末期。1868年9月8日には明治元年になりますから、まさに日本近代化への一歩を踏み出す瞬間に、世界の万博に名乗りを上げたということなのです。すごいタイミングというか、歴史的運命のようなものを感じずにはいられません。

 

そして、この1867年パリ万博でヘレンドが出品したのが、日本の柿右衛門様式をオマージュ(模倣)した「インドの華」だったのです。

カリーニョ商品より

 

柿右衛門の食器

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『余白の美』ー14代柿右衛門の本音が随所に散りばめられた一冊
カリーニョ代表加納による読書感想文コラムです。
わかりやすいので、ぜひご一読ください。

 

柿右衛門とはまた一味違う、ヘレンド独特のぼかしと、ところどころに入るゴールドがアクセントに効いています。
先日紹介したハリポタ映画「ファンタスティックビースト」で登場するアポニーは、さらにこの「インドの華」を簡略化したもので、元祖柿右衛門と比較するともうデザインは換骨奪胎ものですね。

「インドの華」は、もう一つエピソードがあります。
1867年パリ万博の主催者であったユージェニー王妃(ナポレオン三世の妻)が、オーストリア・ハンガリー帝国の皇帝だったフランツ・ヨーゼフ(エリザベート王妃の夫)がパリを訪問した際にもてなした食器だったのです。

フランスの窯であるセーブルやアビランドでなく、あえてヨーゼフ皇帝の地元(ハンガリー)のヘレンドの食器でもてなすという、知的で気品に溢れたというユージェニー王妃の心配りが感じられますね。

引用:Wikipedia
フランス最後の王妃ユージェニー。1853年作で、イギリスのヴィクトリア時代と重なる。コルセットを着用し、プリンセスラインの美しいシルエット。クリノリンの流行の立役者としてもユージェニーはその名を残している。

先日、コラムで「秋のおススメカリーニョ商品」として紹介した「インドの華」ですが、こういった歴史的背景が秘められていたのですね。

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初めてカリーニョのコラムを知った方は、「なぜこの会社は高級食器レンタルサービスなのに、読書会で夏目漱石なんかするんだろう」と思ったでしょう。ですが、漱石の生涯を描く「ミチクサ先生」の冒頭が、パリ万博からのスタートで・・・、ということは、つまりそれは漱石の生涯が「1867年パリ万博」に繋がっているからに他ならないのです。

その1867年パリ万博と、日本初参加日本の柿右衛門様式を取り入れたヘレンドが「インドの華」を出品、それがフランツ・ヨーゼフへ…と、歴史と、文学と、陶磁器がうねりをともなって連関しあう、この様子が非常に面白いと私は思いました。

皆さんもぜひ、カリーニョのサービスで文学、芸術、歴史が互いに絡み合って生まれた陶磁器の世界の、「あれもこれも、ぜーんぶ陶磁器とつながっているんだ!」という、ワクワクするような面白さを体感してください。

ヘレンド公式ショッピングサイトの「インドの華」はこちらをご覧ください

ヘレンドの「インドの華」は、こちらのカリーニョレンタル商品ページにてレンタルすることが可能です。
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アポニーシリーズは多数そろえておりますので、この機会にぜひレンタルをご利用ください。

【このページの文章を書いた人】 玄馬 絵美子(げんば えみこ)

株式会社アリベ 取締役 / 薬剤師 カリーニョを運営する三姉妹の長女。薬局・病院で薬剤師として勤務後、現在、子育て中のアラフォー主婦。株式会社アリベでは受注・財務面、そしてカリーニョでは趣味で研究してきた古今東西の19世紀~20世紀初頭の文化・様式・芸術の世界を紹介するコラム執筆を担当。 【これまでの実績】 全国のMR経験薬剤師が作る転職応援サイト『MRファーマシスト』にてマネーコラム連載。 新聞の文芸欄掲載多数。掲載作品はこちら(個人ブログ「私の読書遍歴」)

 

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