~苦手なものは「急熱急冷」 器のおはなし~

食材に火を通すという調理法のために、日本では古くからかまどやコンロが使われてきましたが最近ではガスコンロ以外にIHも人気です。そして日本でもだいぶ浸透しているのがオーブン。キッチンにビルドインされるものもあれば、レンジにオーブン機能がついたものもお手頃に購入することができます。

オーブンの使用に適した器には、「オーブン可能」の表示が明記されています。焼き物は1000度近い高温で焼かれるのに、なぜすべての器がオーブンOKではないのか。以前のコラムでも触れましたが、その理由は焼成の時間にあります。

焼き物は何十時間にもわたって焼成されます。NHKの朝ドラ「スカーレット」でも何日間も徹夜で火の番をしながら窯をたくシーンがありましたが、まさにそれです。時間をかけてゆっくりと温度があげられる状態だと器は割れることはありません。しかしオーブンなどの調理機器は短時間の間に温度を上げたり下げたりする状態になるため、急熱急冷になりがちなのです。

一般的には「150度パス」がオーブン使用可能の条件だといわれています。オーブンに入れて熱くなった器が、150度の温度差に耐えることができればその器はオーブンOKということです。

ガラスはどうでしょう。耐熱ガラスは別として、一般的なガラスは「35度パス」とされています。当たり前のことですが、オーブン使用はNGです。

ちなみに「ガラスに熱いものをいれていいですか?」という質問をよく耳にします。ぬるま湯くらいであればそこまで簡単に割れることはないのでうっかり入れてしまっても、慌てることはないと思います。ただ、沸騰したお湯などをガラスに入れることはやめておきましょう。

ボーンチャイナは磁器よりも冷熱温度が20%ほどひくいといわれていますので、オーブン使用には適していません。

ボーンチャイナの器。下の北欧ブランドと同じように見えますが、これはオーブンNGです。

では電子レンジは?みなさんもご存じのように、電子レンジは簡単にいうとマイクロ波を振動させることにより加熱させる、というものです。原則的に食品の中に水分が含まれているときに熱くなる、というものです。器に電気を通す金や銀などがついていたりするとスパークしますし、吸水性のある和食器の陶器は不向きといっていいでしょう。

洋陶磁器に関していうと、北欧ブランドではオーブンOK・電子レンジOK・食洗器OKを意識した商品が多いことを大勢の方はご存じではないでしょうか。

ハンドペイント(手描き)はそれにはあたりませんが、近年の生活スタイルに合わせてキッチンから食卓まで、というコンセプトをもとにオーブンOKを謳うもの多くあります。

北欧の人気食器ブランドはオーブンOKのものが多いですよね、

実際にフィンランドの人気ブランドをオーブンにかけたことがありますが、オーブンOKと言われていてもさすがに初回はどきどきしました。

調理機器の発展に伴い器も進化し続けていますが、基本器は、急激な温度の変化に意外に弱いということを覚えておいていただければと思います。

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編集部

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カリーニョ編集部による記事です