紅茶のお話 ~アフタヌーンティーは女性の生活発表会~

私たち日本人にとって紅茶といえば英国。

私が大好きな英国ドラマのポワロや名探偵マープルおばさんにも必ず紅茶を飲むシーンは出てきます(すごく美味しそうに見えるんだなぁあれ・・)。

ちなみに近年人気の「ダウントン・アビー」。数話観たところでちょっと挫折してしまっていますが(笑)、目にする紅茶のシーンは、貴族社会のアフタヌーンティーを象徴する最たるものなのではないか、と思っています。

ダウントンアビーについては当社スタッフ玄馬がコラム「ダウントンアビー(映画)ここがすごい!」をシリーズで熱~く書いていますので、ぜひそちらもご覧ください。

話がそれてしまいました。英国で紅茶はもともと王族、貴族を中心に権力のシンボルとして嗜まれていましたが、一日に何回も紅茶を飲む習慣が広がったのは、ヴィクトリア女王時代の1840年代以降と言われています。一説には、遠方への通勤やガス灯が普及したことにより、食事時間が遅くなったため小腹を満たすためにともいわれています。

そうやって国民的飲料となった紅茶は、植民地などでの生産を通じて国力のシンボルとなりました。そしてそこに付随して花開いた紅茶文化とスタイル。

計算されたインテリア、主人こだわりのティーセット、紅茶にあわせたティーフード、これらのおもてなしでその人の家の力や階級、そして一杯のお茶を飲む所作で、その人のバックグラウンドがわかると言われるほどです(ウィリアム王子と結婚されたケイト妃も、結婚前にそのマナーについて厳しい批判があったといわれています)

日本でも定着しているアフタヌーンティー。これはもともとはマダムの生活発表会の場と言われていました。料理の腕前や、インテリアのセンス、おもてなしの良しあしなど、マダムとしての力量を発表する場でした。

イギリス式のティーサービスは、マダムがゲストの前で紅茶を入れます。見られていることを意識しながら入れる、日本の茶道と同じ、緊張感漂う時間です。

そして大事なティーセット。カップとティーポット以外にも、シュガーポット、ミルクジャグ、ティーストレーナーやティーキャディーなどをトレイに載せます。

さて、これらのアイテムの中でアフタヌーンティーの最中に鍵を握るアイテムはどれだと思われますか?

私はカップなのでは?と思ったのですが、実はティーポット。

ティーポットはマダムが管理。常に自分の右手前に置き、紅茶の温度や茶葉の開き具合などを見ながら、パーティーを進めるのだとか。ゲストが勝手に紅茶を入れるのはNGです(日本人の私たちなら気を遣ってやっちゃいそうなやつです)。

事前に移しておいたシルバーや陶磁器のティーキャディーから、茶葉を取り出し、本日の茶葉の説明を行います。そしてティーカップ。フォーマルな場にふさわしいのは、薄手で金彩が施された華やかな磁器。ゲスト分と少し余分に、すべてお揃いで用意しておきます。

私が洋食器のお店に勤めていたころ、お客さまに「一人ひとり違うカップでお出しするのも楽しいですよ」とおすすめしたことがありますが、それは日本だけの感覚で正式な場ではNG(ひぇーっ)。

和食器の文化では自然なことですが、洋食器は統一感をもたせたコーディネートがセンスのみせどころという、文化的な違いがありますので、もしフォーマルなティーパーティーを開きたい!と思ったときにはちょっと心にとどめておかれるといいかもしれません。

とはいえ、普段からそんな堅苦しいことを考えていては楽しめるものも楽しめませんので、まずはご自分が持っていらっしゃるティーカップを出して、紅茶を愉しんでみられてはいかがでしょう。そしてちょっと腕試しに、お友達を招いて「プチ生活発表会」なるものをしてみるのもいいかも・・・

フォーマルではNGでも、こうやって並べていただくのもやっぱり楽しい。

この記事を書いた人

編集部

カリーニョ編集部による記事です