世代を超えて受け継がれるカトラリーたち

古来日本人が使ってきたのはお箸、ですが、西洋の文化が浸透することでナイフ、フォーク、スプーンなどのカトラリーはいまや私たちにとっては当たり前のアイテムとなりました。

カトラリー(英語ではcutlery)と書きますが、よく見てみると「cut」という文字が入っているのがわかります。まさしく「切るもの」。厳密にいうとナイフなどの切るものを指す言葉でしたが、現在はスプーンやフォークなどもまとめてカトラリーと呼ぶようになっているようです。(ちなみにフランス語のcoutellerieという単語が刃物の総称としてあり、そこが起源だといわれています)

さて問題です。

ヨーロッパでいち早く食卓に上ったアイテムは、ナイフ、フォーク、スプーンのどれだと思われますか?

ヒントは、昔から戦いが多いヨーロッパならでは、です。

実はナイフなんです。ナイフは護身用の武器でもあり、食事の必需品とされていたため、必ず個人で持ち歩いていたといわれています。フランスでは1669年に尖った刃を禁止。現在ではステーキナイフだけがとがった刃先であるというのは、その名残なのではないかと思います。

スプーンやフォークはどうでしょう。映画などでも出てきますが、古くは貝殻にハンドルがついたものや木で作られたものが使われていました。14世紀に鋳造成形の技術が発達し量産が可能になり、テーブルに登場するようになったと考えられます。

フォークは中東で使われていたものがイタリアへと渡ります。フィレンツェのメディチ家のカトリーヌ・ディ・メディチがフランス王アンリ二世に嫁ぐ際にフォークを持って輿入れをしたことで、フランスは「手づかみからフォーク」へと進化した、という話はあまりにも有名な話ではないでしょうか。

ヨーロッパではカトラリーは日常的に使われると同時に、世代を超えて受け継がれていく「家の財産」としても大切にされています。

週末に家族が集まるとき、なにか特別なイベントの時、食器棚から出されるカトラリーボックス。何人分ものカトラリーがそこには大切にしまわれており、おばあさんやひいおばあさんの時代のもので・・という言葉が当たり前のように出てきます。

日本では、お手入れが大変だからと純銀ではなくステンレスや銀メッキのような変色が少ない材質のカトラリーが好まれていますが、ヨーロッパの家では純銀は珍しいものではありません。

自分たちの代で終わらせるつもりではないから、あえて高額なカトラリーを購入する。ヨーロッパにハイクオリティーなカトラリーメーカーがたくさん存在するのも、この背景を考えると納得です。

カトラリーのお手入れも煩わしさを感じずに行うのは、次の世代へ渡していくための大事な儀式のような感覚なのかもしれません。

とはいえ、毎日使うのには純銀はハードルが高い・・・最近ではヨーロッパのカトラリーメーカーも純銀ではない様々なバリエーションのものを作り出しています。色やデザインがおしゃれなアイテムもたくさんあります。また日本にも素晴らしいメーカーはたくさんあります。日本のメーカーだけあって、私たち日本人の生活スタイルに合わせた使いやすいカトラリーを開発していますので、いろいろ使って自分好みのものを見つけてみてはいかがでしょうか。

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編集部

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カリーニョ編集部による記事です